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》映画館への再生の祈りと讃歌:映画『エンパイア・オブ・ライト』鑑賞記

2023.11.30

映画監督が自らの映画への想いを作品にすることはありますが、サム・メンデス監督が描き出したのは映画館そのものへの再生への祈りであり、映画への讃歌。そんな素晴らしい作品を紹介しつつ、感想を記したブログです。



これまでにも映画監督が自ら子供の頃から好きだった映画やその生い立ちを残された作品はいくつもありました。


ジュゼッペ・トルナトーレ監督が描き出した名作『ニュー・シネマ・パラダイス』はまさに幼少の頃の映画の思い出を重ねた、大好きな映画への讃歌。そして近いところではスティーブン・スピルバーグ監督が、今のような映画作りをするようになった元になっている子供の頃の体験を描いた『フェイブルマンズ』はまさにそんなストーリーでした。



そしてスピルバーグ監督の盟友でもあり、『ショー・シャンクの空に』や『グリーンマイル』など人の心を揺さぶる名作を幾つも描き出しているフランク・ダラボン監督の『マジェスティック』は潰れた映画館を再生する物語です。そのどれもが「映画が好きだ!」という気持ちが溢れて出てくるようで、見ているだけで幸せな気持ちになったりして、昔見たそんな名作を再び大スクリーンで観直したくなってしまったりします。




作品のどれもが監督たちの映画好きな気持ちで溢れています




今回紹介するのは先日紹介した『ジャーヘッド』や、『007スカイフォール』『007スペクター』に『1917』などの話題作を近年いくつも監督しているサム・メンデス監督が、自身が子供の頃に体験した映画館の思い出を作品に込めた『エンパイア・オブ・ライト』です。




《『エンパイア・オブ・ライト』のあらすじ》



1980年代初頭の海沿いの町の映画館で、

ヒラリーは辛い過去を抱えて働いていた。


不況と社会不安が蔓延する中、

夢を諦めて映画館で働くと決断したスティーヴンがやって来る。


優しい同僚たちに見守られ、

前向きなスティーヴンにヒラリーは希望を見いだすが……







正直言ってこのジャケットと予告編だけ見て、中年女性と黒人の若者の恋愛映画だと思っていましたが、それ以上のストーリーがそこには待っていました。




【監督にとって映画館こそが辛さを癒したり、喜びを得られる場だった】

冒頭、立派な作りの映画館を解錠してオープンするべく準備をするヒラリー(オリヴィエ・コールマン)。


その作りは古き良き時代の瀟洒なエントランスや会談が印象的な映画館「エンパイア」は、イギリス南部のリゾート地に建つ老舗の映画館。現代のように「作りたてではないポップコーン」が時代遅れの匂いさえ感じさせます。ヒラリーは支配人のエリス(コリン・ファース)を補佐して、この映画館で館内スタッフのニールやジャニーンを統括していますが、補佐しているのはそんな部分だけではありませんでした。彼女は精神的に不安定なところがあり、仕事が終われば自分の部屋で抗うつ剤を服用して蝋燭の火を見ながらバスタブに浸かったり、精神科に通うばかりの日々。



どうやら彼女は支配人には逆らえない理由があるらしく、支配人室に呼ばれると性的なサービスを強要されますが、それは辞めてしまった元従業員との関係にあるようでした。その代わりに入ってきた新しいスタッフ黒人青年スティーヴン(マイケル・ウォード)を紹介されると、目を惹かれるヒラリー。彼の新人教育係として時間を共にするうち彼と付き合うようになってしまったことから、支配人との関係が煩わしく感じるようになりますが、逆にヒラリーの表情は明るくなっていきます。




古き良き時代を思わせるエントランスとスタッフたち(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.




オリヴィエはこれまでも数多くの名作に出演する実力派で、相手役のマイケルは新進気鋭の若手俳優ながらオリヴィエの熱演にも応えるように、1980年代のイギリスでで生きる黒人の立場の難しさと知性的な気質のスティーヴンをうまく演じていきます。そして威圧的なエリスを演じるコリン・ファースは、とにかく伝統的なイギリス紳士を演じたら右に出るものはなし(笑)。



そんな二人を優しく見守る映写技師のノーマン役のトビー・ジョーンズがまたハマり役で、互いに惹かれ合いながらも相手の立場や気持ちが分からない二人を支えつつ、自ら映し出す映画の世界に生きる静かな男をじんわりと演じます。




師弟関係のような二人(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.




この作品の舞台になっている年代のイギリスでは「ブリクストン暴動(1981)」などが起きたばかりで、経済困窮を移民たちのせいとする若者たちの人種差別が問題となっていた頃。街で暴力を受けるところを見てしまったヒラリーに「大学で建築を学びたかったけれど落とされてしまったのもきっと差別だ」というスティーヴンを、「諦めてはダメ」と励まします。またチケットをチェックする際に客とトラブルになったスティーヴンを、諌めるような態度をとったヒラリーとは口論になったりと、たびたびぶつかってしまう二人。



そんなスティーヴンにノーマンは、映画を観に来る客はフィルムの光と闇から癒しを得るんだということ、そしてヒラリーがここに勤めながらもまだ一度も映画を観ていないことを伝えます。その後、話題の新作『炎のランナー(1981)』(懐かし〜笑)のプレミア上映権を得て、エンパイア復活の契機にしたい支配人エリスはヒラリーに、「二人で成功させよう」と呼びかけますが心ここに在らずな様子のヒラリー。そんな晴れの日に不安定になってしまったヒラリーが現れ、エリスの妻には二人の関係をバラしてしまいます。




表情ひとつで精神状態を演じ分けるオリヴィエ(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.




誰もがそれぞれに傷付いていて、誰もが救いを求めて映画館にやってくる。


傷付いたヒラリーは閉館後のエンパイアを訪れ、ノーマンに「何でもいいから映画を見せて」と頼み、そこでノーマンが選んだのはピーター・セラーズが人生の不思議さや人の愚かさを描いた『チャンス(1979)』で、初めてみた映画のそんなストーリーに癒しの涙を流すヒラリー。二人が初めて出会った時に、使われていない3階のラウンジで手当てしてやった羽の折れた鳩が二人の手から再び羽ばたいていったように、彼ら自身もまたここから旅立っていく姿を描き出しています。



きっとサム・メンデス監督自身がこんな思いを何度もした場が映画館であり、映画を見ることで明るい気持ちになったり癒されたりしてきたんだと思います。ここ近年コロナ禍もあって映画界は大きく揺れているけれど、やっぱりネット配信ではなく映画館にこそ癒しのチカラがあるのではないだろうか?という祈りが、このストーリーには込められているんじゃないだろうか?と感じました。


一流の監督や盟友たち映画好きによる再生への祈りと、映画好きのための映画讃歌が詰まった素敵な映画でした。





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