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》歴史認識が変わり将来を憂いてしまう:映画『ニュートン・ナイト 自由の旗を掲げた男』鑑賞記

2024.02.20

1860年代のアメリカで南軍を相手に民兵組織を立ち上げた男の実話を元にした作品は、単に黒人差別や奴隷開放を訴えるものではなく、そもそも世界が抱える問題を明らかにしめ得るものでした、というブログ。



最近続々と発表されているアメリカの黒歴史を明らかにする実話を元にした作品は、以前こちらのブログでも紹介した2013年公開の『それでも夜は明ける』2019年公開の『ハリエット』など、奴隷として扱われながらも諦めずに戦ったアフリカ系アメリカ人たちの歴史を描いたもの。



この二つの作品は、『それでも〜』はワシントンD.C.で自由黒人として働いていながら突然拉致され、奴隷として売られてしまったソロモンさんの12年間の奴隷生活を映像にしたもので、『ハリエット』は奴隷黒人としてアメリカ南部で生まれた女性がその後北部に逃げ、奴隷黒人を北部に逃す地下組織で活躍したという歴史を描いたものです。




どちらも奴隷制度の不条理さと差別問題に一石を投じる作品でした




今回ご紹介する作品は、同じく南北戦争当時に実在した人物を描いた作品ながら、その主役は白人のニュートン・ナイト。この作品を見て黒人開放や南北戦争の裏にもあった、いまだに世界が抱えるもっと大きな問題を炙り出していると感じさせるストーリーに驚いたし、歴史や現在の経済にまでその認識が変わった気がしました。




《『ニュートン・ナイト 自由の旗を掲げた男』のあらすじ》



それは、14歳の少年の夢を砕いた1発の銃弾から始まった。


時は1863年、南北戦争で二つに引き裂かれたアメリカで、

ニュートン・ナイトは甥の遺体を家族に届けようと南部軍を脱走する。


故郷で仲間の農民たちから農作物を奪う軍と衝突したニュートンは、

追われる身となって湿原に身を隠す。


そこで出会った黒人の逃亡奴隷たちと友情を築いたニュートンは、

黒人と白人が一つになった前代未聞の反乱軍を結成し、自由のために立ち上がる──。




ニュートン・ナイトは実在した民兵組織ナイト・カンパニーを創設し率いた男(右は本人)




とにかくニュートン・ナイト本人にそっくりなマシュー・マコノヒーとマハーシャラ・アリという2人のアカデミー俳優が描き出すのは、南北戦争という大きな時代の流れに挑んだ男たちの戦い。そこに見えるのは、戦いの元になっているのは単に黒人奴隷の問題だけではないという現実でした。




【なぜ南軍から抜けて脱走兵たちの独立組織を率いたのか】

ニュートン・ナイトは初め南軍の前線で負傷兵たちを後方の救護所に運んでいましたが、徴兵されただけでまったく大義の見えない戦いに乗り気ではない様子。そこへ現れたのは住んでいた家から食べ物などを接収された上に、14歳という若さで同じように徴兵されてしまった甥っ子。「彼をなんとかして生きたまま両親の元へ返さなくては」と一緒に行動しますが、前線で撃たれて死なせてしまいます。



この物語から見えてくるのは南北戦争というのは単に、「黒人奴隷を解放する」という当時のリンカーン大統領の英断によるものだけではないということ。白人でありながら奴隷を雇っていない小作人は南軍に身包み剥がされた上、勝手に徴兵されて最前線に送られてしまったのが事実で、大規模プランテーション所有者は兵役に就かなくて良いという南部政府による法律までありました。


それは持たざる者たちが、すべてを持つ者たちのために死んでいく戦争。




最前線で撃たれて死んだ甥っ子を家族の元に届けるため脱走する




甥っ子の遺体をラバの背に載せて前線から脱走し、届けに行った家族の元には再び南軍の接収部隊が来たことから、ナイトは彼らを銃で追い返して沼に逃げ込みます。そこには脱走した奴隷黒人たちが暮らしており、さらに引き入れた白人逃亡兵たちと共に南軍の接収部隊を襲って物資を取り返し始め、ナイト・カンパニーという組織を作ります。



そもそも南北戦争というのは産業革命やオイルラッシュなどによってアメリカ北部で工業製品の生産熱が高まり、南部の大規模プランテーションで働く黒人奴隷たちを人手として使いたい産業界の要望を受けて、当時のリンカーン大統領が奴隷解放を宣言したことに端を発するもの。実際ナイト・カンパニーが北軍に共闘を呼びかけたものの、その組織が逃亡兵や脱走奴隷が力を持つためかほとんど相手にはされず、南軍が勝利した後も独自に活動し続けています。




経済的弱者を救うために戦い続けた彼ら




作中では80年後を同時進行で描き、ニュートン・ナイトと解放奴隷だったレイチェルとの間に設けた子孫たちが、結婚を巡っての裁判に巻き込まれたことも紹介しています。それは南北戦争終結後、解放されたアフリカ系アメリカ人たちは奴隷ではないものの相変わらず差別を受けていたこと。そしてその後に有色人種の隔離政策「ジム・クロウ法(1876〜1964年)」が制定されたことにより、4親等以内に有色人種との混血があれば白人とは結婚できないとの法律があったことを示しています。



そんな様子はこの作品にも登場したマハーシャラ・アリが、裕福な自由黒人と貧しいイタリア系移民の友情について描き出した映画『グリーンブック』の中でも描き出しています。それらはやはり裕福な家系と貧しいものたちを区別することであり、貧しい白人たちの鬱憤のはけ口としてアフリカ系アメリカ人たちがその後も虐げられていく元になっていき、それらは現代にまで深い溝として残っています。




ニュートン・ナイトが少年と共に南部に掲げた星条旗は今の世に何を伝えるのか




2022年にApple+制作で公開されたウィル・スミス主演の『自由への道』では、南部の鉄道工事現場から脱走した奴隷がリンカーンの解放宣言を当てにして、北部を目指して沼地に逃げ込む姿が描かれています。こちらはある1人の脱走奴隷から受けた着想から作られたドラマではありますが、これらの作品を見ていると果たしてこの戦いの大義は一体何だったのか?と考えさせられます。


いま世界中で起こっている戦争や紛争、そして覇権主義や行き過ぎた資本主義などの問題を解決できる時代は来るのか?と思ってしまいます。





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