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おざわやの代表のブログです

》映画界はどこへ向かっているのだろうか?

2023.10.07

全米映画俳優組合や脚本家組合のストから様々な作品が公開延期や、製作の遅れなどの影響が出ている昨今。その反面、無料で信じられないようなスケールのドラマがどんどん配信されたりして、一体映画界や映像制作はこの先どこへ向かおうとしているのか?と感じます。



今年の7月に始まった、ハリウッドの俳優たちが加入する全米映画俳優組合のストライキは未だ終わらず、5月から続いた全米脚本家組合が先月末に終了したことを受けても相変わらず。様々な作品の撮影が進まなかったり製作の遅れによって、公開延期になっている作品も出ています。夏に満を持して公開された『ミッションインポッシブル・デッドレコニング』などは、予定されていたトム・クルーズの来日が無くなってしまい、舞台挨拶付きのプレミア上映もビデオでの挨拶のみ。がっかりした人も多かったのではないでしょうか。



同じようにすでに製作は終わっていても、プレミア上映に俳優が出ることも出来ないため公開だけ来年以降に延期された『DUNE part2』のようなケースも出ており、ファンからすれば「いつまでも頑張らずに、互いに歩み寄ってよ!」とヤキモキしてしまいます。そして中にはエミー賞を受賞した俳優でさえ仕事がなく、せっかく手に入れた自宅を売却しなければならなくなったという話も伝わってきて、いつまで続くの?と心配しているのはあながちファンだけではないようです。




「ストライキ前に収録された映像です」と載せないと動画すら見せられないって




【その割に無料配信の内容が凄すぎるストリーミングサービス】

その一方で月額のサブスクリプションとはいえ、そこでは無料で見られるドラマの内容が最近凄すぎる気がします。以前からディズニーチャンネルでは様々な映画の各役柄ごとにスピンオフドラマが配信されていて、スターウォーズシリーズだと最近ではアナキン・スカイウォーカーの弟子(パダワン)だったアソーカ・タノのその後が描かれた『AHSOKA』が配信されているし、他の役についても多くの作品が出されて、映画以上に広がる世界観を演出しています。



そしてストリーミングサービス界では最も作品作りに精力的なNetflixは、世界的に人気のあるコミックスを元にしたアニメ作品の実写版として『ONE PIECE』を配信するや、多くの作品の中でも歴代ナンバーワンの人気となっています。原作の漫画は今でも連載中で、もうすぐ結末を迎えると言われつつも各週連載に切り替えるなどして延命(?)しているとも噂されるほど。そしてアニメ映画でさえ昨年公開された『ONE PIECE FILM RED』が197億円の興行収入で大成功を収めているというのに、ここに来てNetflixによって実写ドラマ化された作品の出来が凄過ぎる。




原作者の尾田栄一郎さんとNetflix側とのやり取りをCMにしたもの




作者が納得いくまでは配信しないとの約束の中で、実際に漫画をほとんど読んだことのない僕でも「面白い!!」とついつい夢中になってしまうような世界観を描きだしています。これをずっとドラマとして作り続けるのか、それともどこかで映画化も視野に入れているのかは分かりませんが、とにかく独特の世界を実写作品として違和感なく作り上げたNetflixには驚くしかありません。



そしてサブスクでは最も加入者数の多いAmazonプライムが、Amazonスタジオとして作り出した『ザ・コンチネンタル〜シーズン1』3部作が昨日エピソード3を公開。この作品は今現在、劇場作品として公開している人気シリーズ最新作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』からのスピンオフとして、ジョン・ウィックらの殺し屋たちの常宿であるホテル「ザ・コンチネンタル」の支配人のウィンストン・スコットの若かりし頃を描いています。







《『ザ・コンチネンタル』のあらすじ》


『ザ・コンチネンタル: ジョン・ウィックの世界から』は

現実とは別の世界をたどった1970年代を舞台とし、

ウィンストン・スコットが暗殺者たちの隠れ家でありながら

いかなる仕事も許されないホテルチェーン「コンチネンタル」の

ニューヨーク支店支配人としての地位を確立するまでの背景が描かれる。




この作品はドラマとはいえ1エピソード90分ほどで、映像としてはキアヌ・リーブスこそ出ていないもののジョン・ウィックシリーズにもまったく劣らず。何なら3つ合わせて2で割ったら劇場作品2本にもなり得るほどの出来で、ウィンストン・スコットの生い立ちから謎の多いザ・コンチネンタルホテルのまだ明かされていない秘密と共に前支配人のコーマック(メル・ギブソン)との戦いや、本シリーズではコンシェルジュ役のシャロンの若き日も描かれていて、こちらの仕上がりも本当に素晴らしい!



どちらの作品もコロナ禍前なら確実に映画化ありきだったはずと思えるほどですが、こんな風に月額料金のみで見られるなんて驚いてしまいます。それほどまでに動画配信サービスのシェア争いが厳しくなっているとも言えますが、この先こうした映画界がどこを目指しているんだろうか?と考えさせられてしまいます。




『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』はアニメとコミックス、そして実写の区切りさえ飛び越えた映画です




今後生成系AIが作り得る映像の世界観はたぶん何でもアリで、今後俳優さえ要らないという映像作品まで作られるとしたら、俳優としてはやはりストライキせざるを得ないのかもしれません。それでもただ映像の目新しさや面白さだけではないヒトの心から生み出される趣深さで、今後もますます映画の楽しみを広げていって欲しいと願わざるを得ませんね。





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