》ベタなラブストーリーも良いよね：映画『チケット・トゥ・パラダイス』鑑賞記

最近は小難しい作品ばかりを見てしまうけれど、昔ながらのベタなラブストーリーもこの名優たちにかかると、ウィットに富んだ物語にクスッと笑ったりホロリと来たり。そんな映画の楽しさの一面を思い出させてくれた作品の感想です。

最近よく見ているのは実際に起こった事件や歴史的事実を深掘りした作品とか、深い内容を読み込みつつじっくりとと味わうような作品ばかり。勿論マーベル作品やアクションも好きだけど、ちょっと小難しく考えさせられる作品を面白く感じてしまいます。

そんな小難しさなんてどこにも無さげなこの作品は、イケオジなジョージ・クルーニーと歳は取ってもやはり美しさと独特のオーラを纏ったジュリアロバーツのジャケットが目に留まり、晩ご飯食べながら見るにはちょうど良いかも？と鑑賞。別居中の熟年夫婦と手塩にかけて育てた娘が、バリ島の美しい自然の中で繰り広げる恋とおバカなドタバタ劇に思わずクスッと笑ってしまいました。

《『チケット・トゥ・パラダイス』のあらすじ》

夫婦生活をたった５年で終え、ひとり娘リリーのためだけに

20年間「家族」という関係をつづけてきた

ジョージア（ジュリア・ロバーツ）とデヴィッド（ジョージ・クルーニー）

険悪なムードが漂うふたりの旅の目的は、

卒業旅行先のバリ島で出会ったばかりの青年と恋に落ちたスピード婚目前の娘を止めること

「恋」という一時の「気の迷い」で人生をフイにして欲しくない、

自分たちと同じ過ちを犯して欲しくないとふたりは願い、

不仲から一転、“一時的な協定”を結び様々な方法で娘の結婚を止めるべく画策するが—

【子を想う親の心はいつも同じだけどそこから学ぶことも大きい】

デヴィットとジョージアは大恋愛から電撃結婚したものの5年後に別れ、一人娘のリリーから両親を奪いたくないという理由だけで、別居のまま家族という関係を20年続けてきました。

そんな二人はリリーの大学の卒業式で久しぶりに会ってもお互いに目も合わさず、あーいえばこう言うばかりですぐ口論に。親友と二人でバリ島に卒業旅行に出かけるリリーを空港で見送る二人は、まるでそれが二人の関係の卒業式かのように別れます。まさかそれが別居家族に一石を投じることになるとも知らずに…

universalpictures.jp/ticket-to-paradise

それから１ヶ月後、突然二人に届いたメッセージは「バリ島で出会ったグデと結婚する」というもので、せっかく弁護士資格も取って順風満帆に思えた娘の将来の危機に、二人は自分たちの二の舞にはさせまいと結託して結婚を止めるため、バリ島に向かいます。

そんなリリーは両親のことが大好きで、きっと卒業式でも敢えて席を隣にしたんじゃ無いだろうか？と思ってしまうほど。でもこれから出る社会への不安と20年間別居を続けてきた家族という寂しさを癒してくれたのは、バリ島の雄大な自然と青年グデの優しさ。そしてそこに住む人々と大自然との結びつきの強さに、これまで欲してきた全てがあると感じてしまったんじゃ無いでしょうか。

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そんなグデは両親二人の微妙な空気感や様子から二人は決して祝福していないことも感じ取りますが、リリーは大好きな両親を信じているからこんなことは言い出せず。そしてリリーはそんなグデの心配と両親の思惑も知らずで、逆にこの旅行でまた家族に戻れたらとさえ思っている様子。

ホント、とっても良い子なんですよね〜。

そんなデヴィットとジョージアを演じるジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツといえば『オーシャンズ12』でも共演しているし、お互いにオシャレな恋愛映画にも多数出演していて、イケてるオトナな代表格としてイメージが出来上がっています。今作ではそれを逆手に取るような間抜けなオチや、若い二人からすると見ていられない悪ノリも見せて、それが同じ世代なボクには見事にツボ！笑

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そしてこういうラブコメディーには外せないお邪魔ものには、バリ島へ向かう飛行機の機長ボールがジョージアの若い恋人として颯爽と登場。リュカ・ブラヴォー演ずる三枚目役は、ネットフリックスドラマ『エミリー、パリへ行く』で見せた良いオトコっぷりなんて、この二人の名優を前にするとやっぱりタジタジ。サプライズとか気を利かせたつもりが、見事に外しまくる間抜けっぷりにまた笑いを誘われます。

そんな熟年夫婦が巻き起こすドタバタと若い二人の見つけた幸せ、そして20年前に何があったのかが明かされた時にすべてが解けていくという見事なラブコメぶりにもなんだかホロリときて、幸せな気分をもらえるストーリー。こんな風に何も考えずに笑って泣いて癒されるって、こんな映画の楽しみ方もあったよねと思い出させてくれるのは、やっぱり二人の積み重ねてきた俳優としての円熟の演技があってこそじゃ無いでしょうか。

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ぜひご家族でゆったりと楽しむ時間に見ていただきたい作品でした。

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