おざわやの代表のブログです
2023.07.24
この公開に先立って出された情報はたった一枚の不思議なポスター画像と、1937年に出版された児童向け教養教育書籍『君たちはどう生きるか」がモチーフとされているらしいという情報のみ。そしてスタジオジブリを引っ張ってきた宮﨑駿監督がこれでラスト作になるとの触れ込みだけを目にしていて、それまでのジブリの宣伝戦略とはあまりに違っていたこと。そして何とも不穏な鳥のようなイラストが何かを物語るような空気を感じさせて、しっかりと読み込まなければならない作品じゃないかと感じていました。
でも原作?らしき作品の漫画版が5年ほど前に話題になっていたこともあって、まずはそちらを読もうか?とも思ったのですが、公開後にマスコミから「評価が割れる作品」なんて報道もあって、まずは何も考えずに見てみようと劇場へ向かいました。
太平洋戦争末期の東京。
母を空襲で亡くし父と疎開したものの、新生活を受け入れられずにいた少年マヒト。
ある日、疎開先のお屋敷の森の中に大叔父が建てたという洋館を発見します。
謎のアオサギに導かれ、洋館の奥に足を踏み入れる。
パズーよりハウル、シータよりもののけ姫の物語
この作品には前情報が一切無いという以上に、すでに見終わった人の感想が賛否両論割れているというも話題になりました。低評価な方の感想には「何が言いたいのか分からない」「時間の無駄」なんていうのもある一方で、反対に「さすが宮﨑駿!」「涙が止まらなかった」というような賛辞などもあり、さらにはさまざまな考察も見られて本当に感想はさまざま。
実際に見てもストーリーは淡々と進んでいく中に「ん?」と思うようなちょっとした引っかかりが前振りのようにあちこちにある割に、その回収は特にされ無い。そしてそこからジブリ的なファンタジー的要素まで入ってくるから、「何が言いたいのか分からない」的な意見にも通じるのかもしれません。
1937年出版の同名小説は、作中に登場して主役のマヒトが読んで涙する程度で原作でも何でもなく、ストーリーには何の関係もありません。原作自体は少年コペルが世の中で出会うさまざまなことを、相談する叔父の意見を交えることで多様な見方を得て、大人の考え方に成長していくという哲学的な側面もある児童書のよう。
そして当作も、母親を失ったマヒトの葛藤と成長の中に「どう生きるか?」の一つの答えを見るようだし、不思議な世界でマヒトが求められる問いは監督からの「どう生きる?」という我々への問いのようにも感じる。そこには正解も間違いもなく、問いを投げかけられたままで物語が終わっていくように感じるのも、「分かりにくさ」に通じているのかもしれません。
ジョバンニ・ミラバッシが2019年に出したジブリカバー集のイラストは、何気に当作の1シーン
でも人生には簡単に答えの出る問題なんてなくて、特に少年が大人へと成長していくときなんて不条理さや不協和音の中を這って行くようなもんで、大事なのは自分で選択して行くことじゃ無いかと。100%の善も悪もなく、誰もが清廉さと残酷さを併せ持っているのがこの世の中。この作品は決して答えを与えてくれるものではなく、スクリーンからそんな問いを見ている我々に訴えかけているように感じます。
何かと情報を欲しがって分かりやすいものを求めがちな現代ですが、人生の深みって意外と分かりづらい所にこそあって、そんな複雑な世界観がそのまま描かれたのが洋館の奥の世界だったようにも思えます。そんな面からも広告や事前情報なしというのが、そのままこの作品の世界観を伝えるものだったようにも感じて、反対に「分からない」というのも今となっては予告になっていたのでは?とも思える、とても良い作品でした。
・花立ての穴が小さくて水がたくさん入らないし洗いにくい
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【店舗情報】
店舗住所:名古屋市名東区高針原2-101
電話番号 : 052-734-8102
営業日:月曜日~土曜日(日曜定休)
営業時間:朝9時から夕方5時まで
アクセス
店舗の前に2台分の駐車スペースがあります
少し停めにくいですが、バックで駐車したほうがお帰りの際に出庫しやすいと思います
地下鉄東山線の星ヶ丘駅から市バスの「地下鉄植田」行きもしくは「地下鉄いりなか」行きに乗っていただいて15分ほどの「高針原」で下りていただいたら、北へ3分ほど歩いたら牧の原南の横断歩道のある交差点の東南角に店舗があります。
ご予約いただければ駅まで車でお迎えにあがりますので、遠慮なくご予約くださいね!