》「ありがとう」を感謝ではなく有り難さとして知ること

誰かが親切にしてくれたから「ありがとう」ではなく、その行動をとった誰かの存在や出会った縁こそが有り難いと考えるのが仏教の教え。感謝の気持ちを有り難いと読みかえるといいですよ、というブログ。

例えば車を運転していて誰かがあなたに「どうぞお先に」と譲ってくれたとき、「お！助かる〜。ありがと！」と手を挙げて感謝することがあります。それは譲り合いの精神としてとても良いことではありますが、もし譲ってくれないときには「なんだよ！ケチだな！」なんて思うことの裏返しにある感謝でもあります。

ではどう考えればいいのか？といえば、誰しもそれぞれの都合があって急いでいたりして【譲ってくれないのが当たり前】なのに、目の前に現れた誰か知らない人が【譲ってくれるなんて有り難い（滅多にない）】ことだと手を合わせる気持ちを持つこと。それは相手に対する尊敬の気持ちでもありますが、そんな一期一会の出会いの機会をもらえた縁も含めて「有り難いことだ」と深く感じ入ることです。

譲って貰って「ラッキー！」なんて思うのは、縁に対する驕りになります

もちろんだからといって譲ってもらった相手に手も挙げちゃいけないというわけではなく、同じ手を挙げるにしても心の持ちようを整えようってこと。同じようにアナタが誰かに先を譲っても目の前を通っていく相手が手も挙げず、会釈さえしなかった時に「なんだよアイツ！」なんてムカついてしまわず【当たり前】として受け流してしまうこと。

それだって、こんな世知辛い世の中では自分のことだけで精一杯になってしまう人も多いんだと教えてもらったと思って、そんな縁の有り難さに手を合わせる気持ちが大切です。

この世はすべて縁の関わりで出来ているというのが「縁起（えんぎ）」の考え

量子物理学では、ミクロの世界での素粒子は普段は波動だったりしても、その瞬間を観測しようとするとはじめて物体として姿を現すとか。同じように我々だって一期一会の出会いの瞬間にどう考えるかに、その後の自分の姿が現れるような気がします。なかなか譲ってもらえず「急いでる時に限って！」とイラつくのではなく、自分にとっての困難が教えてくれた縁を「有り難い」と感じられる心の在り方を学ぶのが、この現世での大切な使命です。

この世界の緻密でミクロな真理からすれば、我々の日々に起こる小さな感情の揺れさえ「粗大ゴミみたいなもの」と思ってみれば気が楽になりますね。

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