》ヒトの意識ってどこにある？

かなり専門的な内容の「心が脳を変える」という本が興味深いのは《意識はどこにあるのか？》ということです、というブログ。

誰でも生きていく中で特に気にすることもなく色々なことを考えたり感じたりしますが、そんなことは特に意識せずともアタマの中でされているものだと思っていますよね。でもそれじゃあ心はどこにあるの？なんて、もしかしたら考えたことあるんじゃないでしょうか。でもそんな意識や心ってこれまでの科学的には《脳の中を駆け巡る電気信号に現れる幻のようなもの》と捉えられてきたそうです。

この本の中ではそんな意識や心だけじゃなく、脳自体の働きについても神経科学の面から切り込んでいっています。もちろん著者は意識と脳は別のものじゃないかと思っているし、それを深く考察していくうちに量子物理学が意識にも関わってくるのですが、それはまだ読み進んでいない先のハナシ。

古典物理学と量子物理学の違いについても書かれていて面白いです

そして中でも特に気に掛かったのは、そんな脳神経を流れる電気信号と意識の順番の話。

人が何かの行動をしようとするときは【意識をする】→【脳神経に電気が流れる】→【筋肉が動く】という順番だと考えるのが普通ですよね。でもそれを実験で調べてみた時に「手首を曲げよう」と考えるよりも既に350ミリ秒前に、脳の中では電気信号が流れていたそうです。そして実際に筋肉が働いたのは意識した150〜200ミリ秒あとと意識と脳の順番が違っていたことから、更に考察を深めていく内容でした。

実はこの実験結果については以前どこかで目にしたことはあって、その時の解説には「ヒトが《意識》と思っているものは脳が記憶の中で追体験しているだけ」のように書かれてあって、そんなもんなのか〜とぼんやり考えていただけでした。

「脳こそが私」ではなく「脳を制するのが私」でなければ

【お釈迦さまはすでに脳を制する意識の順番を知っていたのか】

脳の信号の後に行動しようという意識が起こったことから、やはり多くの脳科学者がその結果を「ほらやっぱり意識なんて脳の信号に追随するだけの存在でただの”気のせい”だ」なんて捉えたそうです。でもそんな実験の中では、同じように脳の信号が出た後でも《手首を曲げない》という判断をした場合も何度かあったそうで、そんなことから《しないという判断をできる意識》が脳神経の外にあるということ、そしてそれどころか意識の力によって脳の働きさえを変えられると書かれています。

そんなことからふと感じたのは「脳が欲を生み出すならば、それを制することができる意識こそが悟りに向けての仏性（ぶっしょう）を高めるんじゃないだろうか？」ということ。

この研究者も仏教と意識との繋がりを書いていますが、その元にしたデータは脳のPET検査の結果や量子物理学的などの目に見える最新の科学です。ところが2500年前に仏教をひらいたお釈迦さまの教えにはこの意識と脳の順番含めて、すでにこれらに通ずることが多く書かれているように感じることに驚きます。やはりお釈迦さまの教えと共にあることで「生存本能という欲がいっぱいの脳が私」ではなく、そんな「欲を制することができる意識こそが私」という意志で、更にその先を見てみたい気がしています。

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