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おざわやの代表のブログです

腐る経済

2016.02.26

以前から何度かご紹介しているつもりですが、なぜか記事が見つからないウチの姉夫婦。(紹介してなかったっけ?)

半田市は住吉駅近くでパン屋を営んでおります。

 

天然酵母パン 海音(かのん)

住所:愛知県半田市清水北町60
電話:0569-22-5530
時間:10:00~18:00
定休:日・月

 

 

 

※少し古い画像です

 

 

 

天然酵母と手ごねに拘っているので沢山は焼けないのですが、それなりにファンも多く夕方近くには売り切れになってしまうこともあるそうです。ワタシ的には電車が通ると揺れるようなロケーションとがっつりした味が気に入ってます。そんな姉は中医学も勉強しており、たまたま中医に関する欲しい本が見つからないのでamazonで買ってくれと頼まれたのがきっかけで・・・

 

 

 

 

 

 

例のamazonの(あなたにオススメの本)というヤツにまんまと乗せられてこんなことに。

中でも、少し前の中日新聞に紹介されていたのを偶然読んでいた、鳥取にあるパン屋さんの書かれた本を見かけて、思わず買ったのがコチラ。

 

 

 

 

 

 

著者はブラック企業のサラリーマン生活に嫌気がさして、枕元に立ったという祖父の助言からパン屋になったという異色の人です。会社を退職してからは幾つかのパン屋で修行、その後自立したパン屋を「菌」に導かれて鳥取に移して現在に至るといいます。その途中、父親に奨められて読んだカール・マルクスの資本論と、野生の酵母と向き合う中で到った答えが「腐る経済」だといい、それに相対するものは「腐らないおカネ」だと。この偏ったように思える経済論はパンを作る際の酵母菌と向き合うことから、自然界は循環することでバランスしており、腐らない食べ物がその価値を下げ、ひいては職の価値までを下げているという真っ当な結論にまで到ります。そこに至るまでの紆余曲折と、マルクスの経済論からパン屋の経済を紐解き、最終的にはその生き方にまで到る「経済の腐らせ方」を軽妙に書き下ろしています。

「腐敗と発酵」、「足し算ではなく引き算」、「利潤を出さない経営理念」など、様々なキーワードを上げて語る腐らないお金の話は、まさにいま日本の陥っている低成長率な経済を表していると思えてなりません。この「腐る経済」はとても政治主導ではできない改革ですが、実際身の回りでは自然農法やスローフードなどを求める人も多く、より豊かに生きたい人たちから代わっていって欲しいという願いのようなものを感じました。

 

先日発表された企業を信用しない従業員の割合がダントツトップだった日本、夢を持てない子供が6割以上いたという日本。

どうか「腐らない経済」で人間が腐ってしまわないように、ぜひご一読を。