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》社会からはじき出された正直すぎる男の人生:映画『すばらしき世界』鑑賞記

2023.12.21

実在した不器用すぎる男の服役後の人生を描いたストーリーは、社会に弾き出されても真っ直ぐに生き抜いた男の悲しくもささやかな生活を描き出していました。



普段はほとんど邦画を見ない僕ですが、この作品のタイトルバックにある「実在した男をモデルに〜」というサブタイトルと、役所広司さんの微妙な表情が気に掛かって鑑賞しましたが、その演技と予想以上のストーリーにすっかり泣かされてしまいました!



この作品の原作『身分帳』は、「小説にして欲しい」と本人から直木賞作家の佐木隆三さんの元に送られてきた、犯罪歴や入所態度などが詳細に書かれた台帳(身分帳)を元に、作者が取材を重ねて小説化されたもの。そしてこの映画の監督は、近年注目されている女流監督の西川美和さんが自ら脚本から手がけたものだそうです。




《『すばらしき世界』のあらすじ》



下町の片隅で暮らす三上(役所広司)は、

見た目は強面でカッと頭に血がのぼりやすいが、

まっすぐで優しく、困っている人を放っておけない男。


しかし彼は、人生の大半を刑務所で過ごしてきた元殺人犯だった。


社会のレールから外れながらも、

何とかまっとうに生きようと悪戦苦闘する三上に、

若手テレビマンの津乃田(仲野太賀)と吉澤(長澤まさみ)が

番組のネタにしようとすり寄ってくる。


やがて三上の壮絶な過去と現在の姿を追ううちに、

津乃田は思いもよらないものを目撃していく……。




この世界は生きづらく、あたたかい。




【子供の頃から社会に弾き出された男のすばらしき人生】

この作品は殺人罪で13年の服役を終えた三上が、旭川刑務所から出所するシーンから始まります。


出所前の様々な手続きの途中、刑務官から「自分が犯した罪をどう思っているか?」と聞かれますが、「なんも悪いことなんかしとらん」と返す三上。そのやり取りと役所広司さんが演ずる三上の表情から、この男は嘘やおべっかはもちろん相手の立場への配慮などできない、真っ直ぐすぎる男なんだということがストーリー冒頭ながら、ストレートに伝わってきます。



そもそも真っ当な社会で生活したことがない三上は曲がったことが嫌いで、目の前で困っている人がいれば放って置けない性格ながら、キレるとすぐ暴力に走ってしまうため、初めは周囲からも浮いています。なんとか出所後に働こうとしますが雇ってくれる仕事などなく、スーパーで買い物をすれば万引き犯ではないかと疑われてしまう。はみ出した人をとことん弾き出してしまうという、社会の壁を強く感じます。




初めに彼を好きになったのは(Photo: ©️ 佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会)




でも自動車学校やスーパーなどで三上に接した人は、初め彼の怒りに驚いて恐れているものの、その人柄を知るうちに彼の周りには自然と人が集まってしまう。彼が真っ直ぐすぎる人なんだということが、目の前の人にも突き刺さるように感じられてしまったんじゃないかと思います。



ストーリーで「三上」として描かれている人は田村さんという方だそうで、父親の顔を知らない私生児として生まれた上に出生届も出されておらず、終戦後の混乱の中で孤児院に預けられてしまったため母親とも離別。生まれた時からすでに社会から弾き出されてしまっていた人のようで、子供の頃から非行行動を起こして少年院を出たり入ったり、という人生を生きてきたようです。




初め三上を恐れていた人もやがて友人に(Photo: ©️ 佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会)




もちろん人の命を奪った三上は社会的には間違いなく「悪い人」であるけれど、彼の人柄は全くもって真っ当な人と変わりがない。でもそんな三上が真っ当に生きようとすると多くの不当な扱いにもあえば、彼の怒りを買うような不条理な社会の溝も現れます。それを必死に耐えつつ日常の社会を生きていこうとする三上。



そんな彼をスクリーンで見ているうちに「果たして自分は真っ当なのか?」「じゃあ社会は?」と、そんな不条理さに疑問ばかりが浮かんできて、対しての自分はといえばもっといい加減に小賢しく生きることで社会との距離を保っているだけ。きっと彼の周りで支えた人たちはそんなことも感じて、彼の真っすぐさへの憧れや愛情を持っていたのではないかとさえ思います。




役所広司演じる不器用ながら人情に温かい三上(Photo: ©️ 佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会)




ラストで別れていた奥さんからの連絡を受けて、仲良しの作業員から秋桜の花を貰って帰る三上は、部屋で一つの大切な選択をする事になりますが、その結果の受け取り方は人それぞれ。自分ならどうする?とか、そのとき家族はどうなんだろう?とか多様な視点で味わってみるのも、より彼やこの物語を深く感じられるかもしれません。



ぜひこの映画を通して社会や人の温かさを感じた上で、自分の目で見て「すばらしき世界」の意味を考えていただきたい。そんな作品でした。





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