》仕事には絶えずアップデートが必要

これまでやってきた手順を遵守するのもいいけど、「したつもり」ではなくその時に応じてアップデートしないといけないと思った失敗について。

独立してからまだたったの15年ではありますが、その前の修行期間も合わせると34年の間石屋さんという仕事に携わっています。その中でいい思い出や素敵な出会いもたくさん経験してきましたが、それ以上に多くの失敗もしてきました。でもそれによって仕事の内容をブラッシュアップしてきて、過去やらかしてきたミスは起こさないような仕事の流れは心得ているつもりです。それでも今回、こんなところで間違いは起こるはずがないと思っていたところで間違いが出て、お客さまやご紹介いただいた寺院さまにまでご迷惑を掛けることになってしまいました。こうなったのはひとえにボクの確認不足だったのですが、「分かっているつもり」だったり「伝えたつもり」が伝わっていなかったとか、今となれば「こんなところで間違いが起こるはずはない」というこちらの慢心が引き起こしたことと反省するばかりです。

石材店の仕事って伝統産業でずっと変わらないように思えますが、ボクが携わり始めた30年ほど前から業態は大きく変わっていて、その昔は職人の手作業の世界だったのがどんどん機械化されてきました。初めは図面なんてドラフターで手書きするしかなかったのですが、設計図含めて今ではCADで作るのが当たり前になったし、製作や字彫りに組み立てなど多くの職人が携わる分業性に変わりました。そんなの多くの職人とお客さまの間ですべて統括するのが石材店で、細かな仕上げや気をつけるべき点などを注意できるのはその件の担当者だけです。

お客さまとの連絡手段も以前はお手紙を出したり直接持っていくことが当たり前でしたが、今では多様になってメールやLINEなどもあるのでその辺りが抜けないようにするのもひとつ。そして今回は特に初歩的な部分だったので余計に「確認したつもり」になってしまいましたが、よく考えてみればほとんどのお墓を造られる方にとってはすべてが初体験。そんなお客さまの立場になった視点からの確認が大切だということを改めて心に刻みました。

「伝えたつもり」では自分勝手な視点、相手に伝わったかどうかが仕事上の確認には不可欠。

「伝わらなければ存在しないのと同じ」なのは、どんな仕事にも共通する真理ですね。

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