》夢の世界から知る人の本当の心：映画『スランバーランド』鑑賞記

実話を元にした映画は大好きだけど、こんな風に人生を暗に描く冒険ファンタジーも良いな！と久々に思わせてくれた作品を紹介するブログ。

すっかり映画界も元通りに公開されることが普通になってきて、嬉しいやら忙しいやら！そんな中でもやはりNetflixだけは良い作品なら数日は映画館で公開し、それからすぐに配信を始めるというペースで上映していますね。この作品『スランバーランド』は他の作品と同じく、製作段階でコロナ禍に巻き込まれて完成が遅れ、最初からNetflix配信での公開となりました。

まずこのコミックが原作という作品で目を惹いたのは主役の1人ジェイソン・モモアが夢の世界の住人で、しかもそのコスチュームは「美女と野獣」の野獣のよう。そして予告で見る限りこれまでの『アクアマン』『DUNE』などで魅せてきた、無骨で汗臭いホンモノの漢！的な役とは真逆で、コミカルな役。これはどんなものかと興味を惹かれました。そして監督は『コンスタンティン』『I am Regend』のフランシス・ローレンスって、どこにもファンタジー要素ないじゃん！笑

【この作品のあらすじは】

11歳の少女ニモは、小さな島の灯台で大好きな父親と一緒に幸せに暮らしていたが、父親が海で遭難して帰らぬ人となってしまう。

落ち込むニモは、気の合わない叔父との新しい生活や学校になじめず、孤独を深めていく。

そんな彼女の前に、大きなシルクハットを被り、ツノを生やした奇妙な男が現れる。

男はフリップという名で、ニモが生まれる前の父のことを知っていた。

なんでも願いがかなうという宝を探しに、ニモを夢の世界スランバーランドへといざなうフリップ。

大好きな父親との再会を願うニモは、フリップとともに幻想的な世界で冒険を繰り広げる

【この作品の感想は「夢の中のように自分の思うように生きろ！」】

しかしこの作品を見て一番に感じたのは、父親を亡くした辛さに苦しむニモ役のマーロウ・バークレー嬢の可愛く美しいったらないこと！これが長編デビュー作のようですが、ジェイソン・モモアの熱演にも負けてない演技力でこの先の活躍も間違いなさそうです。

灯台の島で暮らすニモと父親フィリップは、ニモの母親を病気で亡くした悲しみを抱えながら、2人きりで仲良く暮らしていました。ある夜、荒れた海で遭難しそうな船を助けに行ったピーターは帰らぬ人となり、天涯孤独のニモは会った事もなかったピーターの弟フィリップと一緒に暮らすことになります。ニモはピーターとは似ても似つかない、孤独で詰まらないフィリップとは折りが合わずに寂しさをさらに募らせます。

ところがある日、夢の中で謎の大男フリップと出会ってからは生活が一変。

夢の中の世界＝スランバーランドは管理局によって運営されている世界で、夢を観る人にとって最も必要な世界が与えられますが、その中で迷ってしまうと帰れなくなってしまう世界。フリップはずっとこの世界を楽しんでいる内に帰るところが分からなくなってしまったようで、何でも望みが叶うという宝の在処を記したスランバーランドの地図を探しています。

夢の中だけでももう一度父親に会いたいニモは、フリップと共に宝探しの冒険の旅に出かけます。

ニモの可愛さは抜群ながら（くどい？笑）、ジェイソン・モモアのフリップ役の似合い具合がハンパない！

勝手気ままに生きる海賊のような出立ちも似合うし、コミカルな動きやしょっちゅう変わる表情の豊かさ。何となく『パイレーツオブカリビアン』のジョニー・デップを思わせる感じだけど、何より笑顔が最高です。ストーリーもありきたりかと思えば、現実世界とリンクした夢の世界という展開がファンタジー感とドラマ感のバランスを取ってくれるし、それでも夢の中ならではなアクションや世界観も面白い。

フリップを追い続ける夢の捜査官エージェント・グリーンや、ニモに襲い掛かろうとする「悪夢」から逃れて宝を見つけることはできるのか？

そしてニモは再びピーターと会うことが出来るのか？とドキドキワクワクな展開の最後には、さらに素敵な現実も待っているという最高のファンタジーを楽しませてもらいました。家族で見るのにももってこいなこの作品は、ぜひクリスマスケーキでも食べながら皆んなでご覧ください。

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