おざわやの代表のブログです
》仏さまの智慧を生活に生かしてみよう 〜妙観察智
2023.03.21
春のお彼岸に仏さまの伝えてくれた生きる智慧を、素人ながらに生活に落とし込んでみるブログ。3回目は「妙観察智（みょうかんざっち）」という智慧について。
今日は春分と暦の上では言われ、1日のうちの昼と夜がほぼ同じ長さという日。この日をお彼岸のど真ん中という意味を込めて、お中日（おちゅうにち）と呼びます。この日にはお寺やお墓での彼岸供養会が行われることが多く、今朝もお世話になっている寺院さまの墓回向（はかえこう）のお手伝いに行ってきました。
流石に今朝はアメリカで行われているWBCで、準決勝戦で日本VSメキシコの試合が行われていたからかとても空いていましたが、お昼前にはいつも通りの混雑になりました。ところでそんなWBC準決勝は9回の裏まで劣勢だった日本が、去年のセリーグ三冠王の村上選手のタイムリーでサヨナラ勝ちでしたね！
お仕事の合間にアマプラでちょうどそのシーンを見ることが出来て、思わず墓地のど真ん中で「やった！！」と声を上げてしまいました笑。途中まではメキシコに３点を先制されて、ヒットは出るものの繋がらず。そんな時に限ってこのシリーズ不調の村上選手に回るものの、何度もチグハグなバッティングで三振していたので正直内心はまたか？という気持ちもありましたが、それでも心の中で村上選手の背中を押しているつもりで見ていたので、ボールが外野の間を抜いた時は本当に痺れました。
こんな風に「これまで上手くいかなかったから、どうせまたダメだろう」と思ってしまうのはヒトの性（さが）。それでも不振の選手も好調の選手もあわせて、ただただ日本代表チームを後押しし続けることができることが嬉しいと、ただただ応援する楽しさを味わっていたからこそ、決勝点の入る瞬間を味あわせて貰えたような気がします。
【「妙観察智」とは、すべて余すことなく救いとられるという阿弥陀さまの智慧】
初めに取り上げた「大円鏡智」は物事をそのまま映す鏡のように捉えてみようという教えで、昨日の「平等性智」はこの世のすべての存在を比べたり対立させる事なく平等に捉えることで、心の中に垣根を作らないようにしようという教えでした。そうすると今日の「妙観察智」もそれほど変わらない意味のように思えてしまいますが、阿弥陀さまは「ナムアミダブツ」と誦えた人をすべて救うという請願を建てられたことで知られる仏さま。ここでいうすべてとは「誰でも同じように」ではなく、仏性（ぶっしょう）が低く自分のことばかり考えている人はそれなりに、いつも利他の心を忘れず朗らかな態度で人に接することの出来るような人には仏性の高いなりにお救いいただけるということです。
それは誰も見捨てないという点では全ての人に平等ですが、仏性の低い人にいきなり難しい試練を与えても何のことかも分からない。反対に普段から徳を積んでいるお坊さまのような方に「人に優しくしましょう」なんて言っても、それで大いなる気づきや学びを得ることはないでしょう。つまりはそれぞれ違う仏性に合わせた救いを必ずいただけるということで、それには「違いを見つけて区別する」ということが必要になります。
ゴミだって資源ごとに分別すれば役に立てます
例えば今日の決勝打を打った村上選手だって予選リーグからこの準決勝まで、本人としても全くもって不本意であろうというぐらい不調。でもチームの中ではそんな村上選手を交代させようなんて動きは一切なく、そんな態度はたびたび来たチャンスを凡退しても変わりなし。それは皆んな本来の村上選手の力を知っているし、誰だって調子が悪い時はあると信じて背中を押し続けてきてくれたから、村上選手もそこから逃げることなく立ち向かった結果が出たということだと思います。
それにいくら調子が良いといっても、大谷選手やヌートバー選手が「俺が俺が」と我を通すようなチームだったら、きっとここまでも辿り着けていなかったでしょう。それぞれが違う力を発揮しつつも、そんな強いチームワークがあるからこそ今大会で最も恐れられるチームとなっているんだと思います。そしてそんなチームをここまでまとめ上げたのは、栗山監督の功績が大きいと思います。
阿弥陀如来（＝無量寿如来：むりょうじゅにょらい）
阿弥陀さまのお姿はいくつか違う形で描かれていて、その手の印の結び方によって相手の仏性の深さなどに応じた９つのお迎えの姿があるそうです。
きっと本当に力のない選手にあんな大事な場面を任せても、プレッシャーに負けて失敗することによって選手生命にも関わりかねないでしょう。でもチームの全員が村上なら大丈夫！と信じて背中を押してくれた。それは失敗したとしても決して揺らぐことはないし、もしそうなったとしても村上なら乗り越えられるという全幅の信頼だったんじゃないでしょうか。
明日の決勝は開催国であり、前回王者のアメリカですから簡単な勝負ではないと思います。それでもきっと日本代表チームのメンバーはまた全員がかつての野球コゾーのような面立ちで、ベンチ前で声を枯らさんばかりに応援するのでしょう。そんな彼らの姿を勝負の如何に関わらず、また変わらず応援したいと思います。
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