おざわやの代表のブログです
2019.03.27
今日も名古屋は暖かな花曇り(黄砂曇り?)になりました。
朝は仕上がりのチェックで平和公園、そして職人と待ち合わせて尾張旭市でお墓の引越し作業と、2ヶ所の現場近くで桜をみました。
こんにちは、店主のおざわです。
名古屋市平和公園なう。
春だねーーーーーーー。#サクラサク #花見したい 場所: Heiwa Park, Nagoya https://t.co/XbxaKbIh7O— おざわあつし お墓まいりの楽しさを伝える石屋さん (@stone_ozawaya) March 27, 2019
どちらもまだチラホラといったところですが、多少尾張旭の方がゆっくり咲きそうな感じですね。明日からまた天候が不順になり気温も下がるようなので、咲き具合への影響が気になりますね。 今日のブログは現在すでにお墓をお持ちの方へのお知らせになります。そうで無い方でも「へーそうなんだ」くらいの重箱のスミ的なお話なので、おヒマなら読んでみてください。
お墓の敷地内の隙間といえば、黒っぽい玉砂利が敷いてあるのをイメージされる方も多いと思います。ある程度のお歳の方なら「那智黒」という名前にもピンと来られるんじゃないでしょうか? 誰ですか?知らないふりしてるのは! 笑
皆さんご存知の「黒あめ那智黒」はこの地方名産の碁石をかたどった事からこの名前が付いてます。
今日もお墓のお引越しなう。 玉砂利も汚れてるけど一緒に引っ越すのです。新しいのを買ってもそれほど高くは無いけれど、昔の玉砂利の方が質が良い。比べるといま手に入る玉砂利はショボいんです。 良いものは大事にしないとね。#お墓のお引越し #リノベーション #リフォーム pic.twitter.com/X4zCR1Dlyd
— おざわあつし お墓まいりの楽しさを伝える石屋さん (@stone_ozawaya) March 27, 2019
「那智黒石」というのは、三重県熊野市で算出する黒い粘板岩の事です。江戸時代には七里御浜でとれた砂利を庭園などに撒くのが流行って、井原西鶴の『好色一代女』の中にも「盆山に那智石薪きて」などと書かれているそうです。その色味と硬さ、そしてなにより独特のシルキーな手触りから碁石(ごいし)や硯(すずり)の材料として珍重されています。特に碁石に加工して製品にするとき使われなかったものが、「那智黒石」という名称で玉砂利として流通していました。雨に濡れると黒々として、長年経っても風合いが変わらないとして人気だったんですが、天然資源保護の観念から最近では採取がかなり限定されているので価格も高騰しています。
とは言っても、石屋歴30年を越えるボクでも本物を使ったのはたった一度だけ。その時でも熊野から直接仕入れたのが一袋20kgあたり1万円ほどでしたから、今なら幾らするのか怖くて聞けないくらいですよね。
そんな高級品になってしまった那智黒石ですが、昔は色は綺麗なだけの砂利という扱いでした。当時の人にとっては「勝手に海に打ち上げられる無尽蔵のもの」だったんでしょうね。昔は海岸に行って勝手にバケツに拾って集めてたなんて聞きましたが、当然盗掘扱いになりますので絶対に真似しないでくださいね!そんな那智黒石ですから現在もお墓やお寺、日本庭園などに敷いてあるのを見かけますが、実は貴重品だったりします。
そんな玉砂利には弱点があって、それはやがて土に埋まっていってしまうという事です。
よくお墓に敷いてあった砂利が減ったとか取られてしまった、などと聞くことがありますがどちらも正しくなくて、ただ土の中に埋もれてしまっている場合が殆どです。
だいたいは砂利が撒いてある下は土が敷いてあって、雨降りが続いたりするとその土が水分を含んで緩んでしまいます。その状態で人が乗ると泥の中に砂利が沈んでいってしまうのです。または雑草がはびこってしまうと、その根っこまで抜こうとした時に穴が開いて砂利が落ちてしまったりもします。
なので砂利が減ったなと思ったら、砂利をどけて土を掘り起こすと中から埋まっている砂利を拾い出すことが出来ますよ。
特に昔の砂利は「那智黒石」とまでいかなくても、今のものよりは質が良くてそれなりに貴重なんです。
よくホームセンターなどで袋に入った砂利が売っているのを見かけると思います。
たまに堂々と「那智黒石」なんて商品名付けながら、一袋2~3千円のものがあったりしますが、当然ながらあれは全くのニセモノです。ボクらが使うものもほとんどそうですが、だいたいはインドネシアやマレーシアで採られる砂利です。なかには一年もしないうちに錆びて真っ赤になってしまうものもあるようですね。また気をつけていただきたいのは黒々としてツヤツヤの砂利。あれは薬を塗って艶を出しているもので、これも一年程度で錆びて砕けてしまうものをよく見かけます。
DIYしてでもお墓を綺麗にしたいという気持ちは素敵だと思いますが、たかが砂利とはいえ錆びてしまった砂利がお墓の石にくっついていると、お墓にまで錆が移ることもありますので気をつけていただきたいと思います。
もしDIYしたい時はそんなアドバイスをさせていただきますので、遠慮なくご相談くださいね。
では今日のブログはこんなとこで!