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【天才と呼ばれた男の孤独と苦しみは何だったのか:『MY FOOLISH HEART』鑑賞記】

2020.02.03

メロディーは最高!でもその生き様はサイテーだった天才と呼ばれた男の死に行く姿に浮かんだのは何か?



 ここ数年映画の楽しみ方を知って以前よりも劇場に多く通うようになりました。そしてウチでもサブスクリプションで見逃していた映画を見ることが出来るようになって、ますます映画を楽しめる環境になったこともあって今年は既に14作品(ドラゴンボールは除く笑)観ています。

そのうち劇場での鑑賞5作品目となったのが、58歳で謎の死を遂げた悲しき天才ジャズトランペッター、チェット・ベイカーの最後の数日を描いた『MY FOOLISH HEART』。


 このタイトルは彼がカバーして歌った、ビル・エバンスの名曲の名前から取っています。そしてそのビル・エバンスの映画『ビル・エバンス~タイムリメンバード』の時と同じく教えてくれたのは、また沖縄のジャズ好きな行政書士の城間さんでした。




ビル・エバンスとチェット・ベイカーについて呟いたその時のツイート



【あらすじ】

1988年5月13日に公演先のオランダ、アムステルダムのホテルの部屋から転落死したとされる、ジャズトランペッターながら甘い声の歌声も人気のチェット・ベイカー。享年58。通行人の通報で駆けつけた地元警察の刑事ルーカス。その死に不審なものを感じて調べるうち、この伝説的なチェットというアーティストの存在を知っていきます。しかし知れば知るほど麻薬の常習やDVなど、チェットの心の闇に触れたことがルーカス自らの苦しみにも重なり、捜査にのめり込んでいく姿を描いたドラマです。


 この作品は事実からインスピレーションを受けて作られたストーリーで、いまもなお謎と言われるチェットの死を、当時の関係者の目を通じて見ているこちらも追体験するような不思議な作品です。




 実際のチェット・ベイカーは黒人プレイヤーばかりだったジャズ界に突然現れ、若くしてそのトランペット演奏が人気になり、その端正な顔立ちから「ジャズ界のジェームス・ディーン」と呼ばれていたそうです。ある時たまたま唄った囁くような甘い声がまた人気を呼び、若い女性ファンも増やしていきました。

その歌声を聴いてインスピレーションを受けたジョアン・ジルベルトが、その後にボサノバを生み出したという逸話もあるほどです。


 でもその一方で麻薬の常習や借金、女性癖の悪さからトラブルが多かった事も知られていて、40歳の時には喧嘩に巻き込まれて歯を折られて一時はトランペットの演奏も出来なくなったほど。そしてイタリア・イギリス・ドイツなどから麻薬絡みで国外追放されているというトンでもない生活を続けた彼は、50代になる頃には男前だった顔も老け込んで、老人のような顔になってしまっていました。


 今回の映画で描かれているのはまさにその頃の彼で、そんな彼を演じたのはアイルランドのロックバンドのボーカリスト兼、俳優のスティーブ・ウォール。その顔はメイクだとしても見事な老いっぷり笑で、すべて彼の声だという歌声も含めてソックリ。そんなところもこの映画の見どころかもしれません。




【ここからネタバレ含みます】

 ボク自身がチェット・ベイカーを知ったのはたぶん6年くらい前のこと。

それこそアマゾンミュージックのジャズのプレイリストで流れてきたチェットの歌声と演奏に惹きつけられたのが初めです。でもそのあと見た『ブルーに生まれついて』という彼の全盛期を振り返った映画で描かれていたのは彼のサイテーな部分。ジャンキーで女ったらしでDVヤロー。こんなヤツが演奏してたのか!ってしばらくイヤになってたこともありましたが、それでもやっぱり彼の奏でるジャズは最高でした。


 そしてこの作品。最愛の恋人サラと暮らしていたけど、彼女はやっぱり暴力を受けることに耐えられないし、同居している友人も見ていられないほど。でもチェットがステージに立って演奏が始まると彼女は「見て!ギリシャ彫刻のようだわ」とウットリ見惚れるっていう、それはもうDVの典型のような生活!でもやっぱり家に戻ればまた暴力にあって、結局耐えられずに彼の元を去ってしまいます。

友だちやマネージャーも問題が起こるたびに彼を庇うけれど、それでも何度も裏切る彼に「だってチェットだぜ?」と言いたい文句も飲み込んでしまい、次第に彼はどんどん闇に飲み込まれていきます。


 確かに彼のJAZZには他に変えがたい魅力があるし、いつまでも聴いていたくなる。

そんな彼の様子を作中でも《天使か?悪魔か?》と表現しているのがいい得て妙で、見ているうちに胸が痛くなってきます。




チェット・ベイカーを評した村上春樹さんのコメントも何とも絶妙な困惑具合笑



【孤高の天才は彼自身を愛してくれる人を探してたんじゃないだろうか】

 そんな風にして周りの人々が彼の演奏に恋してくれる限り、きっとその後も彼は演奏し続けていただろう。でも彼が演奏を止めると途端に彼のことを煙たがり、素の自分を出せば逃げていってしまう。

もしかしたら彼はいつの間にかみんなの好きな【チェット・ベイカー】という存在に飲み込まれてしまったんじゃないだろうか?そしてそれに抵抗する彼自身が「俺を見てくれ、愛してくれ」と訴えるけれど、そんな弱みを見せられないジレンマに苦しんでいたんじゃないだろうか?なんて感じました。


それを今回が長編映画デビューというロルフ・バン・アイク監督は、フィクションの存在である刑事ルーカスにダブらせることで、見ているこちらがまるで当事者のように感じさせるためのカメラワークだったり、場面ごとに変わる映像の質に重ねていたんじゃないでしょうか。


そして迎えるラストシーンはまた謎。受け取る人しだいで色んな解釈がありそうです。

もしこの映画を観られるならぜひ『ブルーに生まれついて』を見てからがオススメです。





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