おざわやの代表のブログです
2013.10.29
日本には伝統色というのがあります。
「紺碧(こんぺき)」や「萌黄(もえぎ)」と言われれば何となく想像もつきそうなもんですが、「裏葉柳(うらはやなぎ)」なんて実物を見ないとわかりませんし、「石竹色(いしたけいろ)」なんて全くわかりません。
先日、尾張旭の現場を管理していると、ふと蝶々が飛んでいるのが気になりました。
何となくアゲハ蝶っぽい大きさとシルエットですが何かが違う。特に羽に何とも言えない違和感を感じました。その時は具体的な違いはわからず、写真に何枚か収めたところで空高く飛び去ってしまいました。現場から帰って事務所のパソコンに取り込んでアップにすると、羽の違和感が色にあることが分かりました。そして気づかなかった胴体の色も独特でアゲハ蝶なら縦縞のはずが、見事なマダラ模様です。
しかしコレが何者かは分からずフェイスブックに「誰か知りませんかー?」と載せた所、私の中学校時代の同級生が教えてくれました。違和感の元となった羽の薄い青色は「浅葱色(あさぎいろ)」で、胴体の模様を足して「アサギマダラ」という名前の蝶々だそうです。このアサギマダラは日本で生まれて長野県などの海抜1000m以上の高原で夏を過ごし、秋から冬にかけて九州や沖縄、はたまた台湾まで2000キロ以上を渡って行き、そこで繁殖した子孫が次の春に日本に戻るという不思議な生態を持った蝶々だそうです。
そんな旅の途中、尾張旭で出会えた偶然をとても有り難く、そして愛おしく思いました。
これで浅葱色は忘れないよ!頑張れよ~!