おざわやの代表のブログです
2014.06.13
古典芸能として最も親しみやすく伝わっているのが落語ではないでしょうか。
話に落ち(サゲ)がつくから落語と言われるようになったなんていわれますが、元々は仏教における「説教」を面白く聴かせるための工夫だったとか。それから400年近く続いてきた落語、これまで「真打ち」や趣味程度のはありましたが一流と言われる噺家のお話を聞いたことはありませんでした。
私の出入りしている会の理事長が10年以上のお付き合いがある歌丸師匠にお願いをしたのは一年ほど前。それから指折り数えて待っていましたが、この3月に肺を患われて入院され、退院されたかと思えば帯状疱疹で再び入院ということで、とてもじゃないけど今回は中止かと。
ところが十分ではない体調を押しても来てくださった歌丸師匠は、控え室では酸素吸入されるような具合にも関わらず、高台に上がった瞬間からその場の雰囲気を一変させるほどの凛とした声で話芸を披露してくださいました。話が面白いのはもちろんの事、細かな気配りをしながらのお話振りは超一流の職人でした。
話していただいたのは「紺屋高尾」。私が知る数少ない、そして大好きなネタだった事も嬉しかった!
外に出てみると見事な満月。
言葉にならない想いを胸に月を見ながら夜道を歩きました。