おざわやの代表のブログです
2012.07.04
我が家の愚息も中学2年になって色々と興味が広がり物思う時期、要するに思春期なワケです。
そんな中、下降線をたどっていた学校の評価を食い止めたご褒美が欲しいと言い始め、それがまたplaystationVITAという携帯ゲーム機で、(元の木阿弥となってしまいそうな予感はありますが)仕方なくよく使うサイトで購入しました。すると画面の端っこに「アナタへのオススメがありますよ!」と、妙にこちらを見透かしたような商品を並べてきた中にあったのがこの本です。見事に見透かされました。
江戸言葉にいう「いき」を著者である哲学者、九鬼周造がヨーロッパで学んできた経験と比較によって、日本人ならではの「感覚」や「文化」として書かれた本です。「粋と野暮」「渋味と地味」などの対比や、「はり」「さはり」のような具体的には捕らえづらい言葉などから「いきの構造」の輪郭が焙り出される様に現れてきます。
梅雨の夜、Bill Evansの生前当時の演奏を聞きながら「jazz」について語られた一説を読んで、Bill Evansの演奏する姿は正に「いき」であったな、などと想う夜でした。是非ご一読を。