おざわやの代表のブログです
2014.01.15
以前こちらでご紹介した随筆集の中で竜安寺の石庭について書かれていた作者の視点が気に入り、たまたまその元になっていた本の初版を手に入れました。
これは私が生まれた1967年頃に書かれた日本に特有の美的感覚を作者独自の視点から捉えようとした作品で、文化人類学なども交えて縄文時代から近代までの世界中の芸術作品を比較していく所から始まります。文中で谷崎潤一郎の陰影礼賛でも触れられていた「仏像の美しさ」を同じように取り上げていたり、水墨画や抹茶茶碗に惹きつけられる感覚を「暗示的芸術」という分類で解説しているあたり、とても興味深く読ませていただきました。
この当時からヨーロッパの街並みがアメリカ化されていくことに危機感を表明していたりするのも、古代からの芸術や文化の流れを読み取った作者の歴史観ならではなのでしょうか?我々現代の日本人こそがもう一度確認しなければならない問題が書かれているように思えました。ぜひご一読を。