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おざわやの代表のブログです

ピカピカも良いけど、そうではないのもまた良しだと思う

2018.09.22

お墓のクリーニングについて思っていることがあります

 

 

 

 

 

最近よく問い合わせいただく相談の1つに「お墓のクリーニング」があります。
でもじつはどんなお墓でもクリーニングをオススメしているわけではありません。
そんなことについてお話ししますね。
【刃物を研ぐように慎重に、汚れを落とします】

クリーニングに向くお墓

まずどのような墓石がクリーニングに向くかといえば、50年以内に建てられたお墓です。
これらは「機械加工」で造られたものなので、磨いた面は平らでガラスのようにピカピカで、
俗にみかげ石と呼ばれる、「花崗岩」であれば問題なくクリーニングで綺麗にできます。
もちろん仕上がりがどの程度になるのかは元々の仕上がり具合や使用条件によって差があるので
その都度打ち合わせますが、おざわやでは基本的に「砥石を使った手仕上げによるクリーニング」なので、
表面に付いた水垢(みずあか:目地の周りの黒いヤツね)やくすみは除去できます。
しかし石そのものに染み込んだ汚れは、クリーニングの範囲を越えて「ケミカル加工」の分野になります。
そして50年以上前に建てられた墓石は機械を使わず、「手加工」で造られている場合があるため、
表面の磨きが平滑では無いため、どこまで綺麗になるかはやってみなければ分からないことが多いのです。
 
【クリーニング前とクリーニング後はもちろん同じ墓石ですが時間によって光の具合は違います】

どちらかといえばクリーニングに向かないお墓もあれば

ピカピカじゃない方が美しい場合もある

それに対して墓石クリーニングをオススメしない墓石は、表面が磨かれていない墓石や、
十分に艶が出ていない仕上がりの墓石です。
これらは昭和以前、もしくは江戸時代などの古い時代のものになりますが、
表面がザラザラしていたりするこれらの墓石には苔などが生している場合もあります。
ですがそれを汚れと見るか、経年変化による趣きと見るのかといえば私たちは後者と見ます。
例えば京都などの歴史あるお寺のお庭の灯籠。
苔が付いているからといって高圧洗浄機をかけるような人が居るでしょうか?
そんなお庭に撥水加工を施した灯籠を置いて、庭の景色にしっくりと落ち着くでしょうか?
長年に渡り先祖たちからの供養を受けてきて、墓石が自然に還っていく段階で朽ちていく。
そんなお手伝いを続けていくことが子孫の役目ではないかと考えています。
当社で建てさせていただく新たなお墓についても、「経年変化」が美しくなるような設計を奨めています。
【杉の木にも似た五輪塔には古びていく美しさがありますよね】

クリーニングに薬剤を使わない訳

また最近墓石クリーニングを謳う業者の中には薬剤を使うものも多く見られます。
このような薬剤には染み込んだ汚れを落とす強力な効果があるのは確かですが、
天然石というのは均一な素材では無いため、薬剤の効き目もバラつきが出やすいものです。
すると仕上がった墓石には色ムラが出ることが避けられない為、クリーニングには使いません。
(その必要がある場合においては「ケミカル加工」を使用した「染み抜き」として対応させていただきます。)
また歴史を無視したような強引なお墓掃除や撥水処理は先にあげた灯籠のような理由でおすすめしません。
このような考え方に共感していただける方は、ぜひお墓のおざわやまでご相談ください。
ご相談にはもちろん無料で対応させていただきます。