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》受け取る視点によってテーマが変わる名作:映画『34丁目の奇跡(1947年)』

2022.12.27

マーケティングの課題として見た映画の懐が広過ぎて、その中から色々気づいたことをブログに。(一部ネタバレあり)



先日受けたマーケティングのセミナー「エクスマエレメントE〜マーケティングの全ては映画から学べる」の課題映画として見たのは、1947年と第二次世界大戦が終わって2年、戦後復興にわいている頃のアメリカを描いた映画。舞台はクリスマス商戦に勝負を賭けるニューヨークの老舗デパートで、その宣伝マーケティングを仕掛けるドリスとある老人クリスが出会うところから始まります。



ドリスはクリスマスをビジネス上とても大きなチャンスと捉えているものの、本当にサンタクロースが居るなんて思っていないし娘のスーザンにもそう言い聞かせているくらい。そんな二人が出会って友人となるこの老人こそが、老人ホームに住みつつも自分のことを「本当のサンタだ」と言い張るクリス・クリングル。


まずここではキリスト教徒としての信仰と、それをマーケティングに利用している現実を対比として描いていますが、これは現代にも通じますよね。




何とこのスーザン役はのちにウエストサイド物語でマリアを演じたナタリー・ウッド




そしてクリスはこの「サンタなんて居ない」と言い張る母と娘のことが気に掛かって広告塔として働くようになりますが、そこに絡むのがマンションの隣に住む弁護士のフレッドで、仕事する間はクリスを部屋に同居させます。それは以前から美しいドリスのことが気に掛かり、何とか仲良くなりたいと画策する中でのことで、スーザンも面倒見のいいフレッドのことは気に入っています。ただこの時代を背景としてみれば、父親のいない家庭というのは戦争で未亡人となってしまったことを暗示させる姿。そこに現れるサンタのプレンゼントといえば、言わずもがなですよね。


そんな時代ならではの恋愛模様も、この映画の中の重要なファクターです。




Edmund Gwenn and unknown actor sitting in a chair laughing when a child is making funny gestures in a scene from the film ‘Miracle On 34th Street’, 1947. (Photo by 20th Century-Fox/Getty Images)

次第にクリスのことを本当のサンタと信じるようになるスーザン




そして今回は何よりのテーマはマーケティング。


クリスの見事なサンタ役でクリスマス商戦は盛り上がっていますが、お客の子供がこのデパートには置いていない商品を欲しがると、それは別のデパートにあるから行きなさいと教えるクリス。はじめ上司はそれが気に入りませんが、それが噂となったことからデパートの顧客優先な立場が評判となって、利益にも繋がっていきます。するとそのデパートはおろか、ライバルデパートさえも同じようにお互いを紹介し合うようになります。


こんなところは現代のSNSによるマーケティングにも通じる「繋がりの経済」だし、この利他の精神こそがクリスマスの本質でもありますよね。




1947: Irish actress Maureen O’Hara with American actor John Payne (1912 – 1989, left) in a scene from ‘Miracle on 34th Street’ (aka ‘The Big Heart’). Edmund Gwenn (1875 – 1959, centre) plays the lovable Kris Kringle. (Photo by Hulton Archive/Getty Images)



でもこの作品のことを純粋にクリスマス映画だと思っていると次第に裁判で争っていく展開となって、「どこにもファンタジー要素がないじゃん!」なんて感想になると思います。



それはデパート専属の医師ピアースが診察した時に、夫婦関係が上手くいってないことをクリスに見透かされた上、クリスと仲のいい若者アルフレッドに対する扱いを正されたことが気に入らないピアース。しかも心理学なんて資格を持っていないことがバレそうになったことから、クリスを精神病院に収監してしまいます。それを救い出そうとするのが弁護士のフレッドで、そんな裁判で争われるのは「サンタクロースは本当に居るかどうか?」なんて証明不能な争点。


どんどんクリスマスのファンタジーさからストーリーは離れていっちゃいます。




From left to right, actors Jerome Cowan, Gene Lockhart and Edmund Gwenn in a scene from the film ‘Miracle on 34th Street’, 1947. (Photo by Silver Screen Collection/Getty Images)

「自分こそ本物のサンタ」というクリスと、「それなら証明してみろ」と詰め寄る検察




そんな裁判の結果は映画を見て欲しいのですが、最後までクリスはサンタとしてのファンタジーな面を一切見せず、空も飛ばなければ魔法も使いません。クリスマスイブのディナーに誘われても「その日は大事な仕事があるからね」と丁重に断りますが、その【仕事する姿】も描かれてはいません。ただこの作品中に、言葉を変えながら何度も出てくる「信じていれば現実かどうかは問題じゃない」というセリフはキーワード。



それはサンタを信じないドリスだけじゃなく、途中から信じるようになったスーザンや裁判の判決に困る判事、そしてクリスを「友人として」救いたいフレッドもそうで、サンタクロースを形だけじゃなく心から信じられるかどうかが本当のテーマとして描かれていきます。


さらに言えば映画のラストには、映画を見ている我々にもそのセリフは「あなたはどう?信じる?信じない?」と問い掛けてくるようです。




A poster for ‘Miracle on 34th Street’, directed by George Seaton and starring Maureen O’Hara and John Payne, 1947. (Photo by Silver Screen Collection/Getty Images)



それを信じられる人にとってはこの映画は素晴らしいファンタジーになるし、信じられないならサンタを商売道具として使う恋愛を絡めた法廷裁判の茶番劇になってしまうでしょう。こんな風に見る人の視点や思想で受け取り方が変わってしまうストーリーの見事さ、そして時代背景やヒトの心の移り変わりまで炙り出す俳優たちの演技が味わい深い世界観を作り出しています。



そしてこの作品はこの年のアカデミー賞の作品賞にノミネートされ、クリス役のエドマンド・グウェンはアカデミー助演男優賞を受賞。さらには脚色賞と原案賞も受賞して、その後4度もリメイクされている名作です。でも考えてみればクリスが助演なら主演はドリス?フレッド?それともスーザンなのかと、こちらも多様な視点があるようですね!笑


ぜひ一度、このモノクロのオリジナル版で裁判の結果とご自分の視点がどこかを確かめて見てくださいね。





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