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おざわやの代表のブログです

【原作のメッセージ+@が面白い:『蜘蛛の巣を払う女&ドラゴンタトゥーの女』鑑賞記】

2020.03.17

公開当時はそれほど興味が湧かなかったけど何気に見たら面白い2作を順序逆に観てみた感想のブログです



 正直言ってボクが「ミステリー映画」というジャンルを好きになったのはここ1,2年。初めに観た『雲の巣を払う女』が公開された2018年に観た映画は『ボヘミアンラプソディ(8回)』『グレイテストショーマン』『ミッションインポッシブルフォールアウト』『ハンソロ』など。割と判りやすい映画ばかりです。

 ちょっと違うジャンルの『シェイプオブウォーター』や『スリービルボード』を観たのは間違いなく短パン社長の影響ですね笑


 そんな短パン社長がこちらもオススメしていたのは知っていましたが、どうもミステリーはなあ、と観に行かなかったのを今更後悔しているくらい面白かった!

 というか、この映画はあんまりミステリーっぽくなくてアクション多め。そして主役で天才ハッカーのリスベットが頭良いのに身体能力メチャ高くて、顔中ピアスだらけで背中にはドラゴンのタトゥー。乗っているのはドカティの797って、どんだけ格好良いのか!なのにもう1人の主役で雑誌社の共同経営者のミカエルとはワケありで、彼と電話で話しながらウェブカメラハッキングして彼女と一緒に居るのを確認するなんて、妙に可愛いところあったり。




【蜘蛛の巣を払う女:あらすじ】

 家庭用のパソコンにインストールするだけで世界中の核攻撃プログラムを管理してしまうというソフトを開発した教授から、取り返すよう依頼されたリスベット。一度はハッキングにより盗み出したものの、突然襲い掛かった何者かに奪われてしまう。行き詰まったリスベットが頼ったのは雑誌ミレニアムの共同経営者でジャーナリストのミカエル。やがて2人はとある組織の存在に行き当たり、そこにはリスベットが16年前に生き別れた妹カミラの影が。巧妙に張り巡らされた罠を掻い潜って、2人は核攻撃を止める事ができるのか?


 ところでこのタイトルは『蜘蛛の巣を払う女』だけど、何で『払う』なんでしょう?手で撥ね退けるのなら『掃う』じゃないのかなあと思うんですが。




 ミステリーとして見始めたけど、どちらかと言うとスパイアクションのよう?リスベットは父親から洗脳に近い教育を受けていたことで、途中身の危険を感じて逃げ出しますが、カミラは父親を棄てられず別れた二人。再会したカミラは父親の組織を引き継ぎ、棄てていったリスベットを憎んでいます。

 そしてミカエルは同僚であり共同経営者の彼女とは微妙な関係で、リスベットとも何だかワケありな感じ。ここは第一作目の『ドラゴンタトゥーの女』を観てやっとナルホド!と判りましたが、2人とも役を演じた俳優が変わってしまったことと、脚本上でも少し雰囲気が変わってしまった?と思えるところもあります。


まあ、好き嫌いもあるでしょうけどね。







【続いてみたのが第一作目の『ドラゴンタトゥーの女』】

 『蜘蛛の巣を払う女』を観て楽しめたことから前作の『ドラゴンタトゥーの女』を観たわけですが、なんと主役の1人がダニエル・クレイグでビックリ!

 先日も『ナイブズアウト』で見事ミステリーを解き明かす役を演じていましたが、やっぱりボクの中ではジェームズ・ボンド笑。どうしても他の役には違和感が出てしまいます。ですがこの1作目は2作目と違って、しっかりとミステリーな要素が詰まっていて、ダニエル演ずるミカエルが良い感じ!対するリスベットも2作目のマッチョなクレア・フォイからうって変わって、ひ弱で病的(コミュ症的?)な雰囲気すら漂うルーニー・マーラー。無表情な中に現れるミカエルに対する甘えだけは共通。




【ドラゴンタトゥーの女:あらすじ】

 雑誌ミレニアムのジャーナリストのミカエルは大物実業家ヴェンネルストレムの暗部を暴く記事を書いたものの、相手の罠にはまり反撃にあって敗訴。しばらく雑誌社を離れて別の実業家に頼まれた私史の編纂と、その一族にまつわる謎を解いて欲しいとの依頼を受けます。その中で出会ったリスベットの情報収集能力の高さから、仕事の助手を頼みます。果たして一族に隠された謎とは。




 2人ともが1作目とは随分違うイメージでしたが、物語自体もミステリー色が色濃い分ダニエルのイメージとピッタリ。ていうか、こちらが先で本物か!笑

 リスベットも心の病から保護観察が付いており、他人との距離が上手く作れない役柄にはルーニーがピッタリ。なぜ3部作全部に出演する予定だったダニエルが降板したのかは知りませんが、2作目の作風がアクションに振られたから?それとも主役が交代したから?

 なんにしても両作品の作風と配役はそれぞれには成功しているようには思えます。そうすると蜘蛛の巣のほうのミカエル役のグドナソンがちょっと中途半端に思えてしまうのは可哀想かも。


 そもそもこの作品は男尊女卑に対する強烈なメッセージである原作、『ミレニアム(原題:女を憎む男)』3部作から書き起こされた脚本。この1作目の中では近親相姦やSMなど変態的なシーンも数多く描かれていて、ルーニーもそんなシーンを体当たりで演じています。対するダニエルと言えばジェームズボンド(クドイ?笑)。男性優位で女性蔑視な映画の権化のように言われている『007』シリーズで最もボンドらしいと言われる彼が、そんな男たちを暴いて曝け出すこの作品に共演しているのが何とも言えないところ。そしてまるでリスベットにレイプされるように上に乗られ、ヤラレちゃってるのも印象的なシーンです。

 一部には『007シリーズ』に対するアンサーストーリーとも言われているようで、次々作からの主役がまだ発表されない『007シリーズ』にも関わるようなメッセージ性が隠されているような居ないような?笑笑



ダニエルが渋カワです笑


 一般ウケはまず『蜘蛛の巣を払う女』なんでしょうが、ボク的には『ドラゴンタトゥーの女』の配役や脚本が好き。監督は1作目のデービット・フィンチャーから2作目にはフェデ・アルバレスに引き継がれたものの、フィンチャーも総指揮として残っていて、果たして3作目にはどんな路線でどんな配役なのかが気になります。

 やっぱりボク的には1作目の路線に戻って欲しいところだけど、クレア・フォイのオトナな女っぽさも捨てがたい!笑



何にしても待ち遠しいのはダニエル最後の『007』とこの『ミレニアム』の最終作ですねー。





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