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》美しくて切ない思い出の中を彷徨う:映画『aftersun/アフターサン』鑑賞記

2024.08.16

淡い記憶と古い映像、そして自らの想いの重なったようなエモい映像表現が秀逸で、子どもの頃の夏休みの終わりに日焼け痕が痛んでヒリつくような作品の感想をブログに。



誰でも昔を思い出すたびに切なく感じたり、忘れていた事実を映像の中に見て苦しくなったりするような夏があるはず。そして自分の中に思い込んでいただけの虚構の事実や、幼い自分には見えていなかった周囲の状況などもあると思います。



この作品は意欲的に若手を起用し続けている、インディペンデント系制作レーベルの雄、A24が作った2022年の作品です。




《『aftersun/アフターサン』のあらすじ》



11 歳の夏休み。思春期のソフィ(フランキー・コリオ)は、

離れて暮らす 31 歳の父親カラム(ポール・メスカル)と

トルコのひなびたリゾート地にやってきた。


まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、

ふたりは親密な時間をともにする。


20 年後、カラムと同じ年齢になったソフィは、

懐かしい映像のなかに大好きだった父との記憶を手繰り寄せ、

当時は知らなかった彼の一面を見出してゆく……。




懐かしげな写真に映る父と娘の笑顔が哀しいジャケとタイトルが秀逸




これは監督のシャーロット・ウェルズはこれが長編映画デビューとなる作品であり、監督自身の体験をもとに描き出された作品だそうです。




【アフターサンというタイトルの意味するもの】

この作品のタイトルは《アフターサン=日焼け痕の痛み》であり、作品の予告からも「あの夏の日の思い出」というような朧げな悲しみを感じさせるもの。ただ作品を見てもどこにも「あの夏の日」には哀しい現実が描かれておらず、でも何故かその笑顔の奥に感じる不穏な空気感を払拭出来ないもどかしさばかりが残ります。



でも正直予告以外の前情報なく、ストーリーを見ただけで感じ取れるのはここまで。


人によってはこのロードムービーのような作品では訳が分からず、寝てしまうだけという方もいると思うほど。ただ31歳の誕生日を迎える現在のソフィーが20年前、まだ11歳のときに若き父親カルムと過ごした、トルコのひなびたリゾート地で迎えた彼の31歳の誕生日を思い出す、というだけのストーリーです。




どうやら普段は別れて暮らす父と娘がリゾート地で過ごすだけの物語




ツインで予約したはずがダブルの部屋で、仕方ないのでエクストラベッドに眠りつつ過ごすトルコのひなびたリゾートホテルで、プールに行ったり海に行ったりして1週間ほど過ごすだけの旅行。でもその映像は時にくすんだり、時にはVHSのテープが止まりかかったりと現代のスマホならあり得ない映像なのは、使われているBGMも含めて1980年代の映像を意識させるもの。



そして二人は久しぶりに会ったようだけど仲は悪くない様子で、それでも思春期のソフィアの年齢とどこか無理している父親のチグハグさも感じさせつつ、次第に二人のすれ違いや意識のズレを描き出しながら進んでいきます。




映像にはなっていてもソフィアの記憶のあやふやさや、ダンスフロアのフラッシュバックが印象的




どうやらソフィはイングランドのエジンバラに今でも母親と住んでいるけれど、エジンバラには2度と戻るつもりはないと言い切るカルム。そしてソフィがカラオケタイムでステージに上がって、REMの「Losing My Religion」(その歌詞にも意味あり)を歌うけれどカラムは絶対に歌わないと言い張る表情の強張りよう。



そんな食い違いはやがて決定的なズレとなり、ホテルで知り合った少年とキスをしたけどときめかないと告白するソフィアは、父親と一緒にビリヤードをした青年二人がキスをするシーンをドキドキしながら見つめたり。カルムは真夜中の海に入っていき、部屋に入れないソフィアはロビーで寝ているところをホテル職員に助けられるなど、どんどん不穏さが増していきます。




ダンスフロアで抱きついた二人は心の距離を表すように互いを確かめる




互いの考えや思いは何も分からないままに進んでいく過去の思い出の日々。


ずっとリゾート地の背後の空にパラグライダーがフワフワと舞ったり、クルクルと急降下したと思えば山肌を舐めるように急上昇したりしているのも印象的。そしてビデオテープの映像とは別に鏡の中や消えたブラウン管テレビに映り込んだ姿や、ビデオテープを差し込む機械音もを効果的に流れたり。時折挿入されるダンスフロアのフラッシュバックも何かを訴えるようで、それぞれが何かの意図を持って挿入されていることにも違和感を感じさせます。



そしてダンスフロアで若き父カルムと踊る31歳のソフィアが踊るのは、デビット・ボウイとクイーンの「Under Pressure アンダープレッシャー」という曲で、その歌詞にもメッセージがあることに気づきます。やがて夏のバカンスは終わり、ソフィアは父と空港で別れて帰っていくけれど、見送ったカルムが空港から去った先もかなり抽象的で迷わされるところ。


この作品にはとても多くのテーマが描き込まれていることを感じます。




折れ曲がって擦れた写真は消え去りそうな過去への想い




【せめて2度は味わいたい映像作品】

決してハッピーエンドではないだろうし、とにかく何も語らず何も正解をもたらさない映像はあいまいで、そんな二人をどうとでも取れるのに一つの方向性を匂わせる手法が秀逸。見終わったあと「絶対に何かのメッセージがあるはずだ」と解説や監督のインタビューなど見てみると、やはり感じていたことはある程度当たっていたんだと、改めてもう一度しっかり切なさ含めて味わい直したくなります。



そしてこの作品を撮る前にシャーロット監督が作っていたショートムービーがYouTube上にもあり、『Tuesday』というその10分くらいの映像を見ると、その7〜8年後のソフィア/シャーロットの姿ではないかと想像させるような、哀しげな映像なのもチェックして欲しいところです。





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