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おざわやの代表のブログです

クレソン好き

2016.04.19

今でこそステーキもお安く食べることが出来ますが私の子供の頃はそれほどポピュラーではなく、どちらかといえば給食に鯨ステーキがでてきたような年代で、お祝い事といえばとりあえず「ステーキのあさくま」な家に育ちました。

そしてめったに食べられないニクはもちろんではありますが、なぜだかその上に乗っているひとすじの「葉っぱ」の美味しさに夢中になり、家族全員から集めて食べていたものです。いま思えば、その頃好きだったものは兄弟で取り合いになっていたはずなのに、この「葉っぱ」だけはみな快く差し出してくれることを不思議に感じつつ、「山盛り食べられたらいいのに!」と思っていました。

大人になってその葉っぱの名前が「クレソン」ということも分かりましたが、それから何十年経ったいまでもクレソン好きは変わりませんが売っているところも見ないし、相変わらず口にするのはステーキの上に乗っている1本きり。

 

ところがあるお友達の情報で、どうやら愛知近郊でクレソンのみを栽培しているそれは拘った農家があり、それがどうやら滅法旨いらしいという噂。矢も盾もたまらずフェイスブックで確認し、岐阜にあるという畑に一度行ってみたもののそこには誰もいなくて買えず仕舞い。オマケにその畑は返さなければならなくなったと聞いてガッカリ・・・。

やがてそんなことも忘れかかっていた先日、当のお友達から「栽培している松本さんがクレソン鍋を作るから食べに来ませんか?」と夢のようなお誘いをいただきました。しかも楽しい仲間も揃うとのことでその日が来るのを楽しみに待っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて当日、清須市のとある素敵な古民家をお借りして催されたクレソン鍋の夕べ。お竈(くど)のある台所では「清流クレソン」というブランドでクレソンを栽培されている松本さん、そしてレ・ディシプル・ド・オーギュスト・エスコフィエという称号を持つフレンチシェフの太田さんが揃って談話中。この光景を見るだけで既にお腹が鳴ります。「そのまま食べてみてください」という松本さんのお言葉に甘えて生のままのクレソンを頬張ると、山葵にも似たピリッとした刺激と共にクレソンの爽やかな香りが口いっぱいに広がって至福のひと時!

他にも沢山の素敵な方たちが集まっておられ、ご挨拶もソコソコにお宅拝見しつつもお鍋の準備をすすめます。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして始まった食事はなんと離れの小屋で囲炉裏(いろり)に薪をくべながらの鍋!こんなシチュエーションで食べれば大体のものはおいしくなっちゃいますが、子供の頃からの夢であった「クレソン山盛り」がついに叶うのですから興奮の絶頂でした!当然、全身煙まみれになりますがそんなこと誰もかまっちゃ居らず、松本さん自らが放り込む清流クレソンと恵那の寒天豚のしゃぶしゃぶに箸を突っ込んで舌鼓をうちます。

 

 

 

 

 

 

 

 

さらにG7で供されるという大吟醸酒など皆さん持ちよりのお酒も美味しく、それぞれに活躍されている皆さんとのお話しも本当に尽きることなく楽しい!そこへ太田シェフがササッと手際よく、そして最高のゆで具合で作っていただいた「クレソンと茗荷のおひたし」まで出てきて大満足の晩餐でした。

またしても飲み過ぎ、でも最高に楽しい夜でした!本当にご馳走さまでした!