おざわやの代表のブログです

いつもの久しぶりの味

2014.07.07

まだ二十歳の頃、子供の頃からの夢をかなえる為に頑張って、バイトして、それでも借金して、それでもやっぱり楽しかったなあ。そんなバイト先の近くに、カウンターと小さな机が二つ三つだけのとても小さくて古そうな中華料理屋さんがありました。初めの頃は恐れ多くて（怖くて？）入れませんでしたが、ランチ時になるとお店からあふれたお客さんと、それはそれは良いカホリが辺りに立ち込めていました。ある時勇気を出して飛び込んで以来、無口な親父さんと気の良いおばさんのファンになり、週に３～４日はそこで「日替わりランチ」か「麺とご飯ものセット」を食べていました。値段は日替わりなら７５０円で、麺+飯なら８００円。どれを食べても馬鹿ウマでお腹一杯になって、シアワセなランチタイムでした。思えばホイコーローとか肉のてんぷらとか、ここで初めて覚えた中華の味も多かった。

それまで行っていたバイト先の給料では足らず、もっと割りの良いバイトに替わった時も一番の心残りはいつものランチタイムだった。それから何年かあと、朝刊のちいさな事件欄に火事で全焼との記事を見たときは本当に驚いた。ほんの５０ｍも行かない所に消防署があったのに・・・。どうやらお２人は無事だったみたいだけど、大事な我が家を１つ失ったような気になった。跡地はしばらくそのまま、そしていつしかマンションが建ってしまった。

それから何年かして１ｋｍほど離れた場所に新しい中華料理屋が出来て、そこにあの看板を見たときは本当に嬉しくて、友達を誘い合わせて食べに行ったっけ。それから今まで家族で中華ならいつもココ、旧友やあの雰囲気にハマリそうな友達も何人も一緒に行った。でもずっと夜の営業だけで、それでもいつもお店の外にはあの頃のように並んで待つお客さんも変わらず居て、こんなに忙しいなら夜だけで十分だろうなと寂しく思っていたら、いつの間にやら昼営業も始めたとか！