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おざわやの代表のブログです

ビル・エヴァンス タイムリメンバードを観てきました

2019.06.05

今日は朝から曇り空ながら、梅雨が近づいているんだなあと感じさせるような蒸し暑さ。名古屋の夏が来ました。

こんにちは、おざわや店主の小澤敦司です。

 

昨夜はここの所ツイッターで投稿していた映画 『ビル・エヴァンス タイムリメンバード』を観るために、名古屋市東区で名画中心に上映されている名古屋でもっとも小さい映画館、名演小劇場へ。でもその前にそのすぐ近くにある大好きな立ち食い鮨屋で空腹を満たしましたよ。

 

 

 

 


 

 

 

ここは並ばないとなかなか入れない事で有名なお鮨屋さん。

江戸前寿司の味はもちろんですが、お手頃な値段と大将の人柄が人気の秘密。今では店の奥に座って食べられる店舗もあるようですが、やっぱりここで大将に差し向かいで食べたい。そう思わせてくれるお店です。昨日はキスとこぶ締めのコチが絶品でした。あー美味しかった!

 

 

 

 

 

「知っている」と「わかっている」は違うんだなあ

さてお題の映画ですが、もちろんドキュメンタリー映画だとは分かっていましたが、作品の作り方自体を敢えてそうしたのか、全くもってドキュメンタリーでした。当たり前か!笑 でももう少し物語仕立てにも出来たような気はしますが、それをわざわざ箇条書きのようにその時々の演奏やコメントを並べて、監督の思考や感情を入れないように作ったのかなあと。それはきっと監督がビル・エヴァンスに対するオマージュや敬意であるように感じました。

これまでボクの知っているビル・エヴァンスは、いつもスーツを格好よく着こなし姿勢を正してピアノに正対する姿と、独特の柔らかで軽やかなタッチのピアノの音。まずその演奏に心惹かれたのは「Waltz For Debby」とか「My Foolish Haert」を聴いた時で、その情感を感じさせるタッチとメロディーでした。といっても姿を見たのはもちろんジャケットの写真だけだし、音はレコードではなくCDやネット配信の音源だけでした。この映画を通じて知ったのはピアノに正対していただけじゃなく鍵盤に身を委ねるようにのめり込む演奏中の彼の姿と、当時演奏を共にしたメジャープレイヤーたちにどれほど尊敬されていたのか。そして彼自身がどのようにジャズと向き合ってきて、どんな人生を歩んだのかっていうことでした。あ、あと晩年はスーツスタイルどころかヒゲ面だし、ちょっと「え?」っていうファッションだったこともですけどね笑笑

 

そしてこうして映画を観終わってパンフレットを読んだ今になっても、まだ何か消化し切れていないような、なんだかもやもやした感じです。そりゃ当然ですよね。ヒト一人の人生を90分で観たわけですから。でもそれからずっと聴いている彼の演奏が、これまでとは一味違うものになっていることは確かだし、もっとじっくりと味わい尽くしてみたい気がしています。年代別に聴いてみるとかね。

 

 

印象的だったのは彼が亡くなったとき一緒にいたガールフレンドのローリーが言った

 

「私は救われた気分で幸福だった だってビルの苦しみが終わったんだもの」という一言と

 

亡くなる少し前に電話を貰ったトニー・ベネットに言った彼の

 

「美と真実だけを追究し他は忘れろ!」という言葉でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今更ながらにほとんど同い年で逝った彼のご冥福を祈りつつ、今日のブログはこんなトコで!