》慣れや飽きは不安定を招きやすいからもっとワクワクしよう

感覚は習熟すると安定するけれど、それがやがて慣れてしまうと飽きに繋がって不安定さをもたらすけど、上手く脳を扱っていつでもワクワクしていたいですねというブログ。

実はボク、出来ることなら毎日でもボールを打っていたいくらいゴルフが大好きなんですが、ご存じでしたか？笑

とは言っても毎週のようにゴルフ場へプレイしに行くようなタイプではなく、ただ練習で効率の良いスイングを追求していくのが好きなので、コースでのスコアは大したことはありません。そういうゴルファーのことは「練習場シングル（ハンディー）」なんて揶揄されたりするんですが、まったく問題なし！思った通りにボールを操り、遠くへ飛ばすことができるスイングを身体に染み込ませるのが、何よりの喜びなんです。

昔のゴルファーは上達のために「ダンプ一杯のボールを打て！」なんて言ったものですが、やはりスポーツの上達には反復練習が肝心。そしてここのところ最新の脳科学の本を読んで学んでいると、ヒトが一つの動きを覚えるために脳がどんな働きをするのかがとても興味深いです。例えば子供の頃にブランコや自転車の漕ぎ方を覚えればずっと忘れないのは、「子供の頃の脳が柔軟なせいで大人になってからではそうはいかない」なんて言いますが、最新の研究では何歳からでも新しい神経回路を作り出すことは出来るそうです。

脳に神経回路のマップを書き込めるのは反復練習のみ

そもそも運動神経というのはざっくり言えば、俗にいう右脳側の脳神経＝シナプスにニューロンという伝達物質が伝わることで筋肉を動かすもので、その動きを繰り返すことで脳神経のマップが出来上がることを「運動神経が良い」なんて言います。脳というのはとても優れていて、こうして作り出したマップはちゃんと覚えているから自転車の乗り方も忘れないんです。そして今では脳梗塞などで右脳の機能を失っても、正しい訓練さえすれば左脳がその代わりの働きを出来る場合があることが分かっています。

でもゴルフもそうですが、他のスポーツだとなかなか正しい動きを身につけるのは難しいもの。そして「わかった！」なんてコツを掴んだと思っても、また次にやろうとすると「あれ？わからなくなっちゃった」なんてことがしょっちゅう。そして出来たとしても慣れてきた頃に限って、一つの失敗から何が何だかわからなくなってしまったりもします。

動きをイメージするだけでも脳のマッピングは動いている時と同じに働いて反復練習になる

少し前に「アハ体験」なんていうのが流行りましたが、クイズの答えが解る瞬間のヒラメキの喜びを感じる体験が心地良かったりしましたよね。これはまさに新しい回路が繋がるときに前頭葉辺りでニューロンがまるで花火のように打ち上げられて、神経回路が活発に働いて繋がる瞬間に感じる電気が灯ったような感覚。それを繰り返すうちに脳には新たな既定のマップが出来上がり、何度やっても間違えずに同じ動きや考え方が出来るようになります。

でもそんな規定のマップを辿るだけの動きには「アハ」の様なヒラメキの喜びは無く、ただ淡々と自動運転をこなすのみで、そうすると慣れや飽きに繋がってしまったりして俗にいう「慢心」になってしまったり。そんな時にちょっとした外的要因が加わると「あれ？何かおかしいぞ？」と脳は再びマップを書き換え始めてしまって調子が狂ってしまったり、悪くすると「スランプ」や「イップス」と呼ばれる状態に陥ってしまったりもします。

流れ作業のように感じると脳はタイクツしてしまうから一つ一つ課題を決める

最近話題になることの多いメジャーリーグの大谷選手は試合の何時間前に何を食べるかが決まっていたり、登板前には壁に重いボールを投げつける姿がお馴染みになりました。これは「ルーティーン」と呼ばれる予備動作で、自分でコントロールできる状況で準備をすることで、不確実な外的刺激から感覚が狂うことを避けています。更に熟練の選手であれば、実戦の中で感覚がずれた時にどこからどう立て直すかの微細な感覚まで考えて、練習中に脳のマッピングを回避する手順まで決めてある人もいるようです。

そして脳は外的刺激だけじゃなく自分自身の心が関心を向けた先に向けて、それまでの神経回路を作り替えることも分かってきました。それは何歳になっても衰えることない働きで、「もう歳だから…」と簡単に諦めることなくワクワクする心に従って新しいことにチャレンジしている人って、やっぱりいつまでも若いですよね。

そんな秘密が、こんな脳の働きにあるのかも知れませんね。

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