【様々なメディアを重ねて過去の時間の繋がりを知ることで、未来を思う楽しさよ】

昨夜のクラブハウスで聴いたお話に興味が湧いて、過去のある出来事が別の歴史に連鎖していることを知って、今がどんな未来に繋がるのか楽しみになりました、というブログ。

先日たまたまNetflixでトム・ハンクス主演の『この茫漠たる荒野で』を見つけて、「まずボウバクって何よ？」と調べたら［広々とした、果てしなく広がる］なんて意味だと知りました。といっても元々の題名は「News of The World」だから、また似合わない邦題つけちゃったんでしょ？なんて思って鑑賞したら、意外にも雰囲気を捉えてた邦題でびっくり。何より大好きなトム・ハンクスが良い仕事してて物語もとても面白かったから、またもや今年の（私的な）ベストテンに入りそうな作品に出会えて幸せでした。

またこの作品の感想は別に書くけど、とにかく様々な歴史や問題も折り込まれた深い物語が静かに語られていて、とても良い作品でしたー。

この物語には南北戦争終結からの西部開拓時代の始まりのあたりが描かれているんですが、最近よく描かれていた白人VS黒人という単純な図式だけじゃなく原住民との争いや貧富の差までもが、現代社会との対比としても感じられる物語でした。

そんな物語をもっと深く感じられるようにと南北戦争も調べていましたが、そんな時にたまたま聴いたClubhouseで、元マイクロソフト社長の成毛さんのルームで「火山の噴火が南北戦争など色々な歴史に影響を与えた」と聞いて、「そりゃどんな話しなん？？？」と更に興味が拡がっていきました。といっても年代調べたら戦争終結より後に噴火してるので、ただのボクの聞き違いだったんですけどね笑。

【1883年のクラカタウ噴火がもたらしたもの】

まずはその噴火について調べてみると、これまでにも何度も大きな噴火をしているインドネシアのラカタ島にあった火山で、そのものは1883年の噴火で島の３分の２とともに消し飛んでしまったとか。その後2年間噴火し続けたことで世界中の気温が5年間にわたって平均1.2度ほど低下させてしまったとも言われています。1884年に日本を襲った大飢饉もこれが原因ではないかと言われているし、まず「どんなデカい噴火だったのー！」って驚きますよね。

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この大噴火から出た噴煙によってエアロゾルが高さ７〜８０キロにも達して12日間で地球上を覆ってしまったとか、衝撃波が15日をかけて地球を７周したとも言われています。そしてこれによって平均気温が下がったのと同時に、その粉塵から世界中で真っ赤に焼けた夕暮れ空が見られたそうです。

そんな夕暮れを見た中に、かの画家エドヴァルド・ムンクがいたのではないかと言われています。

というのも1892年1月22日に書かれたムンクの日記に

「私は2人の友人と歩道を歩いていた。太陽は沈みかけていた。突然、空が血の赤色に変わった。私は立ち止まり、酷い疲れを感じて柵に寄り掛かった。それは炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった。友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま不安に震え、戦っていた。そして私は、自然を貫く果てしない叫びを聴いた」

という記述をクラカタウの大噴火による粉塵が、ノルウェーにまでもたらした燃えるような夕焼けのことを言っているんじゃないかと考えられてのこととか。それが本当かどうかなんて今更判らないでしょうが地球を何周も回るような衝撃波や、気圧の変動まで起こしていたという噴火のパワーから何かを感じたりしてもおかしくはない気がしますよね。

そしてそれ以外にもクラハで話題に出ていた1815年に同じくインドネシアのタンボラ山で起こった大噴火では、更に規模が大きく世界中で異常低温が記録され、その様子はヴィクトル・ユーゴーの「レ・ミザレブル」やメアリー・シェリーの「フランケンシュタイン」にも描かれ、ナポレオンがワーテルローの戦いに敗れた一因とも言われています。

やっとワクチン接種が拡がりつつある今回の新型ウイルス禍だって噴火ほどドラマティックではないけど、後の世から見れば何かのきっかけや影響をもたらすものになっていると思います。そんな事態をただ恐れるか、それとも起こらなければもたらされなかった「キッカケ」と取るかはその人次第。過去に起こったことを知って未来に生かすって、大切なことなんじゃないかって改めて思いました。

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