おざわやの代表のブログです
【「2040年の未来予想」を読んで感じたこと】
2021.02.06
元マイクロソフト社長にして現在は執筆と投資コンサルタントをされている成毛眞さんの最新著書を読んで感じたこと
この「2040年の未来予想」は、いつも良書を紹介してくださる短パン社長ことオクノヤさんがツイートされてたのを見て少し前に買っておいたのですが、ヒジの手術からの入院の時にゆっくり読もうと取って置いたもの。まさか入院する要因が変わって更に期間が延びるなんて思ってはいませんでしたけどね。
まず「2040年」と聞いてどう感じるかは、それぞれの歳によって印象が違うでしょうね。令和生まれの方なら2040年になってもまだ学生時代だろうし、平成生まれの皆さんなら「もう良い歳だよなあ」っていうくらい。昭和生まれでバブル期育ちなボクならもう73歳過ぎと、じゅうぶんに後期高齢者ですね。ビックリですわー笑。
そんなボクにとって「2040」なんて数字から感じるのは「ドラえもんが来た未来の世界？」くらいな印象でしたが、考えてみれば（長生きしていれば）手の届く先の話ですよね。でもこの「2040年の未来予想図」という本を読むと、それがますますほんのちょっと先の話に思えて、しかも決して明るくはない未来もしっかり描かれています。
「今日にはこれから起こることの萌芽がある。現在を見つめれば、未来の形をつかむことは誰にでもできる。」
「はじめに」にもこう書いてあるように、これから起こることや来るであろう現実が本のなかに「ざっと」並んでいます。［テクノロジーの進歩・経済・衣食住・天災］の４つに大きくカテゴライズして、現在の状態とこれから起こりうるリスクが書いてあります。ただそれだけを読んでいると暗くなってしまうことばかりですが、そんなリスクに対して我々にできることも書いてあるので、「知っている人だけが悲劇を避けられる」と帯に書いてあるとおりですね。
ただ未来の話とは言っても、それは今すでに始まっていること。現状認識がしっかり出来ていないと、全てが絵空事に思えてしまうかも知れません。
それは例えば今の日本が置かれている状況。
この経済の項で書かれているのは「貧しい日本」。
これはボクも数年前から周りの人たちには言っていたのですが、このコロナ騒ぎが起こる前、空前の訪日ブームが起こって世界中から旅行者たちがやってきていました。その経済効果は相当なもので、「やっぱり日本のホスピタリティが世界サイコー！」なんて浮かれた報道もその頃にはありました。まあ確かにホスピタリティや安全性はお墨付きではありましたが、実はそれよりも日本が選ばれていた理由は何より「安いから」。
世界の経済指標を測るのに都合がいい、皆さんご存知のビッグマックを比較する「ビッグマック指数」でいうと、2020年の日本はヨーロッパ各国はもとよりタイ・ブラジル・韓国よりも安く設定されています。今はもう中国にも抜かれていると思いますが、この時点で指標にある56か国中の25位です。日本はバブル崩壊、リーマンショックと続いて低迷した物価はそのまま。その間に世界各国はどんどん物価が上がって、その分経済的に豊かになっています。そして間違いなく人口減少と高齢化に見舞われることが分かっている日本の20年後は、ますます貧しくなっていくはずです。
こう聞くと「ヤバいじゃん！」とやっと現実に気がつく人もいるでしょう。
でも世界から見て貧しいと言ったって、実際に我々は全く困っていないし、かえって豊かな気持ちで暮らしています。そして世界一の負債を抱えた国にも関わらず、経済は崩壊せず将来への不安もそれほどじゃない。世界からは「MMT（経済貨幣理論：いくら国債を発行しても破綻はしないという理論）の一番の実践例が日本だ」なんて声も挙げてあるくらいで、ただ暗いばかりの未来予想ではないのも嬉しいところ。
ただこの項で一緒に書かれている「シェアリングサービス」については少し違うかな？と思うところもありました。
メルカリなど個人売買のサイトを「お金がない人が利用するサービス」のように捉えられていますが、今の若い子たちには当てはまらない気がします。そんな人たちはメルカリに出すことを先に意識して売れないファストファッションを買わない傾向があるそうで、最新のブランドものを買って身に付けて数回着たらすぐにメルカリで高値で売る。そしてそれを原資にまた新しいものを買うと、さながらサブスクで最新ファッションを着飾れるようなもので、若い子たちの感覚の鋭さとたくましさが頼もしくさえ感じます。
ただここで書かれているように資源も人材もない日本には「シェアリングは不可欠」なのはもちろん間違いなし、ですよね。
そのほかにも少子高齢化をテクノロジーで補うとか、それに役立つのが５Gや2040年には実用化しているであろう６Gとか。そして待ったなしなのは環境問題とそこから起こる食料問題と水の供給問題と、とにかくここからの20年は全てのことが激変していくよ！と警告を鳴らしてくれてます。
そんな20年の始まりに起こったこのウイルス騒ぎだってそんな流れの一部なのかも知れないとさえ思えてしまいます。
じゃあどうすれば良いのか？
それはまだ不確定な未来もあるから分かりませんが、まずは自分たちがこれから生きていく未来ですから、分かる範囲だけでもしっかり意識していくこと。特にこれから育っていく子供達や社会に出ていく人には知っておいて欲しい「少し先のこと」です。
是非この本を読んでもらったり、子供たちに伝えられるようボクらが勉強していかなければ！と感じていただければ、日本の未来もまだまだ捨てたもんじゃないと思います。
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