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おざわやの代表のブログです

お墓に名前を追加で彫るときに気を付けていただきたいこと

2019.09.18

今日は久しぶりに曇り空の朝。涼しさが貴重なこんな日は、平和公園に行って管理している墓地のお掃除をしないとね!と思いつつ事務所に来ると、パソコンデスクの上のLED電球がパカパカと点滅して危険信号。そういえばちょっと前にもチラチラ明滅してた時があって、どうやらもうすぐ切れる前兆らしい。でもよく考えると事務所の中では一番新しい電球の筈なので、ちょっと早過ぎるかな?とも思いましたが。





この電球は常時点灯の割りに長持ちしてくれましたよ




その昔、日本の電化製品の素晴らしさは「ただ長持ち」ではなく、平均的に長持ちして全部同じ時期に「壊れる」ことだと聞きました。今もそうなのかは不明ですが、長持ちだけで言えば外国製品の中にはトンデモなく長いものもあるし、あっという間に壊れてしまうものもあるそうです。ふと思ったのは、これって人間同士のコミュニティーでも同じことが言えないかなって。多様性をそのまま受け入れる文化と皆んな同じようにある事を良しとする文化。どっちが良いとか悪いじゃないけど、いま教育の分野では、ヒトとヒトの多様性をそのまま受け入れられるコミュニケーションの大切さに気付いて、オランダやドイツなどから学ぼうとしている動きがあるようです。これからの子供たちにとっては良い事ですよね。あとはボクら平均的な日本人世代がそんな子供たちの邪魔をしないように、今後の多様性社会についていけるよう学んでいかなくてはね。





石屋で一番多いお仕事が名前の追加彫りです

石屋の仕事で一番多く携わらせていただくのは、すでに建っているお墓への「戒名(法名)の追加彫り」です。お墓を建ててもそのままご家族に不幸がなければそれは何よりなんですが、当然いつかは寿命を迎える方が出てきます。そんなときにご依頼を戴くのですが、そんなときによく聞かれることやこちらから確認することを今日はお伝えしたいと思います。





納骨のタイミングは和尚さまと施主さまの話し合いで決まります

その「名前はいつ彫るのか?」と言えば、納骨する時までに彫っておくのが望ましいかと思います。そして「納骨はいつするの?」かはお葬式していただいた和尚さまの考えと、お施主さま家族の都合に合わせてということになりますが、まず四十九日までに納骨というのはまず無いので、四十九日以降で一周忌までという期間に納骨することが多いと思います。

なのでまずは和尚さまに納骨のタイミングと、併せてお墓に名前を彫ることを相談していただくと時間的なことや、お寺とお付き合いのある石屋さんを紹介していただけたりします。ちなみにお寺から石屋さんを紹介してもらうことのメリットはまず「信頼」です。紹介してもらう石屋さんはその和尚さまのことの進め方を最も熟知していますし、失敗すると紹介していただけなくなる責任感ももっています。価格的なことはそれぞれなので何とも言えませんが、お寺がバックについていると言う安心感。これが何よりのメリットです。





石屋さんに頼む際に気をつけていただきたいこと

そうして納骨のタイミングと依頼する石屋さんが決まったら、彫る内容を石屋さんと打ち合わせてください。それには今回納骨する方の「戒名(法名)・命日・俗名(普段の名前)・行年」をメモに控えるか、お位牌の裏表を写メしていくと間違いがないかもしれません。そして大事なのは石屋さんが間違えないように、お墓の場所や彫ってある建立者名(お墓を建てた方の名前)、そして既に戒名を彫ってある方を確認してください。というのはお墓に名前を彫り込むには順番が肝心なんです。

皆さんなんとなく亡くなった順に名前が彫り込まてれると思ってみえるようですが、実はお墓には「初代夫婦、2代目夫婦〜」というように家族としての順に並べて彫ってあるんです。そうすることで後の子孫の方が見たとき、まるで系図の様に関係がわかりやすくなるように並べるんです。

なので今既に彫ってある人と今回彫る人、そしてこれからそのお墓に入るかもしれない人全員の関係性を知らないと、間違った位置に彫り込んでしまうかも知れません。





実際に彫り込む作業に入る前に気をつけること

彫り込む文字やお墓の位置などの確認が終わって、さあこれから彫り込むという段になったときに注意していただきたいのは、実際の作業には二通りの進め方があり、それによっては和尚さまにお経を上げていただかなくてはならない場合があることです。まず一つ目はお墓から竿石を外して工場に持ち込んで字を彫る場合、こちらはお墓を解体する形になるので100%お経を上げていただかないと作業にはかかれません。

続いて2つ目のパターンは、竿石は現地に据えつけたままで機械の方を持ち込んでそのまま彫る場合。こちらはお経を上げなくても字を彫って良いという和尚さまと、そのままでも石に文字を刻み付けるのだからお経上げないといけないという和尚さまに別れます。それは宗旨宗派の考えやお寺それぞれの判断になるので、まずは和尚さまに聞いてみないと判断できません。



現地彫りの作業の様子です


そして彫る前にお経を上げていただいた場合は、再び戻した時にまたお経が必要になります。それらの手間を避けるために備え付けられるのが「墓誌板(ぼしばん)」といって、戒名を彫りこんでおく衝立(ついたて)状の石板です。



墓誌板(ぼしばん)には入魂していないので勝手に動かせます


確かに手間は省けますが、この墓誌板自体も安いものではないので、トータルコスト的に安くなることはありません。


そして大体この一連の作業には3週間程度時間の余裕が必要ですので、納骨の日取りが既に決まっている場合にはそれプラスアルファで1ヶ月程度前には石屋さんと打ち合わせることが必要ですので、お気をつけくださいね。それ以上に慌てて作業したために字を間違えた、なんてことになったら目も充てられませんからね。

お気をつけください。