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【アメリカの黒人差別の根元が描かれた作品:映画『それでも夜は明ける』鑑賞記】

2020.06.12

過去の奴隷制度の影から今まさに脱却しようとしているアメリカ。そんな根元で起こっていたことを知ると現在の問題や彼らの苦しみが少しは理解できるかもしれない。



 昨日のブログでも書きましたが、世界中でアフリカ系アメリカ人に対する差別の問題が大きな問題として捉えられ、抗議行動や暴動などに発展しています。でもこれはボクらにはなかなか理解し難い問題。テレビやスクリーンではスポーツや芸能界で活躍する黒人系のヒトたちを見るばかりで、過去の奴隷制度なんて想像でしか思いつきませんよね。でも実際に世界中ではそんな問題があって、過去の名作ですら奴隷制度が描かれているということから配信サイトから削除されたとか。




「風と共に去りぬ」までが差別の対象になってしまうなんて!



 そんな中で観た2013年の作品『それでも夜は明ける』は、1841年に実際に起こった事件を被害者ソロモン・ノーサップ本人が書いた「12years A Slave」を原作としたストーリーです。実際には奴隷階級ではないのに騙されて売られ、奴隷として生きなければならなかった12年間の苦しみがあからさまに描かれていて、見ているのが辛いシーンも幾つかあるほどです。この作品によって監督のスティーブ・マックイーン(俳優とは同姓同名)は黒人監督として初めてアカデミー賞作品賞を受賞し、その年3冠に輝きました。






【あらすじ】



 ソロモン・ノーサップは「自由証明書」を持つ自由黒人の音楽家として働き、家族5人で幸せに暮らしていました。ある時公演活動のために出かけた先で興行主に騙されて拉致され、奴隷商人によって別人プラットとして南部の農場に売られてしまいます。初めに売られた農場主ウィリアムは彼に優しかったものの、ソロモンが諍いを起こした白人の若者が彼の命を狙っていたことから、ソロモンを他の農場主に売って逃します。その農場主エドウィンは奴隷に厳しく、働きが悪ければムチで打つしお気に入りの黒人女性パッツィーを性のはけ口として虐げていた。ソロモンはなんとかここから逃げ出そうと奴隷に身分を落とされた白人のアームスバイに助けを求めたものの騙され、次第に奴隷としての生活を受け入れていきます。


 ある時、農園にカナダ人の大工が雇われ、ソロモンは大工の仕事を手伝ううちに自らの素性を語り、また騙される恐れを顧みず助けを求めたその結果は。




【見るべきポイント①:自由黒人と奴隷階級の黒人たち】

 そもそも音楽家として生計を立てて家族を養い、何不自由なく暮らしていた【自由黒人】ソロモン。それを可能にしていたのは「自由証明書」という書類で、アメリカでの市民権に当たるものです。これを持っていないと当時のアメリカでは「奴隷」として何の権利もなく、その処遇は雇い主が保有していました。ソロモンは騙されて酔い潰され、朝目が覚めると奴隷商人によって拉致されています。そのままプラットという別人に仕立てられ、南部の農園に売られて【奴隷】にされてしまいます。自由黒人としてのソロモンは白人たち相手にバイオリンを弾いて暮らしていて、それは周りに黒人たちの居ない社交的な暮らし。ところが奴隷としての立場になると、彼が木から吊るされていても周りの奴隷たちは見て見ぬ振りをします。これはそれまでの生活でソロモン自体が奴隷制度に何も声を上げていなかったことを逆の立場から見ていることになります。


 ヒトは自らが苦しい立場に立たないと、その苦しみについて理解することができないものですね。




【見るべきポイント②:奴隷商人と農園主たち】

 当時はプランテーションという大規模農園を運営するには、今のようなトラクターなどもなく人手に頼るしかありませんでした。それを担っていたのはイギリスから植民地を開拓するために連れてこられたアフリカ系の黒人奴隷たち。そんな奴隷をアフリカから連れてきて売買する商人たちがいました。最近イギリスやベルギーなどの街角から撤去された銅像。それこそが奴隷商人たちです。







 もちろんその当時は違法なものではなかった人身売買ですが、今となっては負の遺産の象徴。黒人たちが苦しんできた歴史を知って引き倒された銅像が川に投げ落とされていますが、これまでそこにあることは知っていても黙認されていたもの。きっと横を歩いていてもそれが誰なのかも知らなかった人がほとんどでしょうね。だからといって引き倒して上に乗ったりする姿が何を生み出すのか?それなら奴隷商人たちの像を並べて、【非道な人身売買の歴史】として晒した方が理性的だと思うんですが、皆さんはいかがお考えでしょうか?


 特にこの事件の中で描かれているのは騙されて売られる自由黒人としてのソロモン。きっとこんな風に違法な手段で売られた黒人たちも多かったのではないでしょうか?それでも物申すことは出来ず、その立場で生きることしかできなかった彼らの苦しみを考えると、暴動的に走ってしまうのも仕方ないようにも思えてしまいます。




【見るべきポイント③:感動的なラストに終わらない彼らの現実】

 ネタバレ的に言ってしまえば、12年の奴隷生活から家族の元に戻ったソロモンでしたが、その後は奴隷制度廃止活動家として精力的に講演活動など行いましたが、感動のラストとはなりません。そんな歴史がそのまま今に繋がっていることを象徴するラストではないでしょうか?そんな視点で今公開中の『ハリエット』もこの問題を捉えた作品なので、観に行きたいと思っています。




 いまや世界は経済的にも深く密接に繋がり、他国の芝は青いなんて言ってられない時代になりました。自国の歴史を知ることも大切ですが、他の国の歴史にも思いを寄せて優しく生きる道を共に探すことも大事なことじゃないでしょうか。





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