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おざわやの代表のブログです

【家族の愛の結びつきの形に正解なんてない:映画『はじまりへの旅』鑑賞記】

2020.06.02

ヒトにとって教育とは何か?家族とは?宗教とは?

そして何よりフツーってなんだろう?と考えさせられた作品の感想です。



 ロード・オブ・ザ・リング、グリーンブックでの対照的な役作りが印象的だったヴィゴ・モーテンセン。その代表作とも言われている『はじまりの歌(原題Captain Fantastic、2017年公開)』では、またまた全く違うイメージを魅せてくれてビックリ。今作品では6人の子供たちと一緒に、森でサバイバル生活をするアナーキーな父親役です。子供たちはみな森を駆け回って動物を狩り、自給自足の生活をしながらこの10年暮らしています。学校へは行かず、ホームスクールとして父親から歴史や哲学書を指南され、皆が6カ国語に堪能なほどの優秀な学力を持っています。


 そして物語の始まりは家族で鹿を狩るシーンから始まります。




【あらすじ】



 森で子どもたちと暮らすベン・キャッシュ(ヴィゴ)は資本主義社会やアメリカの文明の歪みから子供達を守るため、この10年は一切のメディアも持たず、自給自足で哲学や文学や歴史などを自ら教えて暮らしています。ある時都会の病院から連絡が入り、3ヶ月前から入院していた妻のレスリーが亡くなったと知らせが入ります。レスリーは仏教徒だったため火葬を望んでいましたが、レスリーの父親はそれを許さず、キリスト教式の葬儀を行うと聞いて「ママを救うために」森を出て2400キロの旅に出ます。


 アスリート並みの身体能力と有名大学すべてから合格を貰うほどの秀才な長男ボウ、エスペラント語で会話する双子の姉妹キーラーとヴェスパー、母親に会えないことからベンに反抗する次男レリアン、ポルポトが好きで動物の骨や剥製を集める三女サージにいつも裸で過ごす末っ子のナイ。ナイキもアディダスも、コーラもホットドッグさえ知らない彼らが、キャンピングカーに改造したバス「スティーブ」に乗って旅をするロードムービーです。


 そんな自分たちの森での生活が当たり前だと思っていた子供たちが、従兄弟や祖父母に会ったことでフツーではなかったことに気づいていく姿をコミカルに描いています。そして夫婦で子供たちのために、と思って作り上げてきた生活に疑問を持ったベンが下した決断とは。






【フツーってナニ?ってこちらまで突きつけられるストーリー】

 食事は全員で協力して狩りをして動物を絞め、水汲みは当番。山の頂上まで森を駆け抜けて、時には【訓練】として全員でロッククライミングしたりヨガや瞑想を共にする。夜は焚き火を囲んで哲学書を読んで感想を言い合い、時にはそれぞれに楽器を持ってセッションする。初めは母親も一緒だった森の中での生活は10年にも及んで、長男の産後に発症したセロトニン不足から心のバランスを崩してしまったレスリーは、両親の住むニューメキシコに入院してしまいます。それでもまた治れば会えると信じていた子供たちは、母親が自殺したことを知るとその遺体を火葬するために葬儀に向かおうと、両親から「来たら警察を呼ぶ」と警告されたベンを説得します。


 そんな子供たちは途中に立ち寄った銀行で、他の人たちがみな太っていることを見て「病気なの?」と驚く様子には笑ってしまいます。そしてベンの妹の家では学校に行ってないことを咎められると、ゲームばかりしている愚かな従兄弟には答えられない質問にスラスラ答えるサージに唖然とさせ、消化にいいからとベンに勧められて赤ワインを飲む子供たち。でも厳格な父親に社会から途絶された中で育てられたことで、学力も体力的にも並外れた子供たちではありますが、周囲との考え方や価値観の差に戸惑ってしまいます。

 そんな子供たちを演じるのは『1917』でも主役を演じたボウ役のジョージ・マッケイを始めとして、オーディションで選ばれた子役たちですが、とにかく可愛くて皆の演技力には驚いてしまいます。



 「子供は社会の中で育てるべき」という考えはもちろんありますが、ベン一家の子供たちはしっかりとした考えを持って生きる力もある。それからすると従兄弟たちの方が心配になってしまうくらいです。娘の葬儀や孫の面倒をみたい祖父母の考えだって言ってみれば「フツー」。でもやっぱり何か引っかかってしまうのは、【違うこと】を認めない同調圧力とか差別意識のようなものを感じてしまうからではないでしょうか。そんな風に思いながらも映画の中だからベン一家のことを応援できるけど、そんな意識はボクらの中にもあるから、実際ならどちらの立場に立ってしまうのか?と価値観を揺さぶられます。




今まさに差別問題で揺れるアメリカはどこへ行くのか



 この作品の監督のマット・ロスはもともと俳優で「12モンキーズ」や「フェイスオフ」などにも出演していて、監督としてはこれが長編映画で2本目。自らが子育てをする時に親としての決断に疑問を持ったことから、この作品の着想を得たそうです。親なら誰しも悩みながら子育てするものですが、監督自身が「フツーとは違う生き方を選んだ人たち」に囲まれて育ったから、ということも影響しているそうですが、途中出てくる哲学書や古典文学などにも様々な拘りがありそう。映像を彩る音楽もバッハが流れたかと思えば、火葬のシーンではガンズ・アンド・ローゼスで唄い踊ったり、エンドロールはボブ・ディランのカバーだったり。はたまたタイタニックのテーマをコミカルに使ったりと、かなり作りこまれたストーリーだということが分かります。

 原題の『Captain Fantastic』は夢枕に立ったレスリーがベンに「My Fantastic Man…」と呼びかけたところから。でも今回は邦題の方もまあまあかな?



 最後には自分の生き方や育て方に疑問を持ち始め子供たちから離れることを決めたベンと、その後の子供たちの行く末が爽やかでした。

そして旅立ちのシーンでも使われる、この家族の合言葉がまた格好良い。


ボウ「Power To The People(人々にチカラを)」

ナイ「Stick To The Man(権力に反抗を)」





 

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