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》並んで歩くか、後ろから見守るか?:『少年の君』鑑賞記

2023.04.30

受験戦争、いじめ、経済格差など中国だけじゃなく世界のどこにでもある問題を、淡い恋愛に写して描いた2019年の中国映画の感想をブログに。



14億人と言われる中国の人口の8〜9割を占めるという底辺層の貧困問題、そしてそこから抜け出すための早道は「清・北・復・交」と呼ばれる4大学に受かるための高考(こうこう)試験を通過すること。そんな受験戦争など中国の子供達は日本で考える以上に厳しい環境の中で育っていくようです。そしてこの作品はそんな中で実際に起こった事件を元に描かれた作品で、底辺層の2人の恋愛を中心に当局の目を掻い潜りながらのストーリー構成が、かえって「モヤっと」させるノワール感を映し出しているように感じます。




《『少年の君』のあらすじ》



進学校に通う成績優秀な高校3年生のチェン・ニェン。


全国統一大学入試を控え殺伐とする校内で、ひたすら参考書に向かい息を潜め卒業までの日々をやり過ごしていた。


ある日、下校途中の彼女は集団暴行を受けている少年を目撃し、とっさの判断で彼シャオベイを窮地から救う。


辛く孤独な日々を送る優等生の少女と、ストリートに生きるしかなかった不良少年。


二人の孤独な魂は、いつしか互いに引き合ってゆくのだが・・・。







【いじめる側かいじめられる側か、それとも無関心を装う側か】

まず初めのシーンで自らの過去を回想しながら、英語学校の生徒たちの前で英語の言い回しの違いを教えるチェン・ニェン。そこで気になったのはクラスの中でただ1人うつむいていた女生徒で、その後に続く過去の嫌な思い出の顔に繋がっていきます。まだ高考を目前に控えた頃のチェンが、いじめから自殺してしまったクラスメートを無視してしまったことを悔やんでいるうち、替わりにいじめのターゲットとなってしまったことから始まる物語です。



でもそんないじめの背景には受験戦争があり、そんな受験戦争には経済格差や社会の歪みなども絡んで、子どもたちだけじゃなく社会自体が疲弊してしまっていることも原因なことがよく描かれたストーリー。そんな社会から弾き出されてしまって盗みなどで生活するシャオベイが襲われているところに出くわしたチェンが、クラスメートの件があったからかどうしても見過ごすことが出来ず、助けたことから2人は知り合います。その後何度も会うたびチェンは心の中に溜まった思いを打ち明けて行くうち、次第に2人は心を通わせていきます。







このストーリーの中では多くの問題を対極的に描き、その度に「あなたはどちら側なの?」と選択を突きつけられるように感じます。それはいじめる側といじめられる側というような分かりやすい違いもあれば、そんな対立を見過ごせない人か無関心を装う人か?というものもあります。自殺した同級生に対しては「無関心側」だったチェンは、ボコられているシャオベイを見かけた時には思わず警察に通報したのを見つかり、チンピラたちにお金を取られてしまいます。



その後ほどなくしてチェンの前に現れたシャオベイは、取られたお金を返して壊れた彼女の携帯も直してみせ、それからちょくちょく彼女の前に姿を見せてボディーガードをするようになります。バラックのような家に1人で暮らすシャオベイは両親に捨てられたストリートチルドレンで、それまで社会から守られたことも関心を持たれたこともなかったはず。道端でボロボロになって倒れている彼に関心を持ってくれたチェンのことは、きっと女神のように輝いて見えたのではないでしょうか?




並んで歩く2人は未来ある女子高生とただのチンピラ




でも大学に受かるために必死に勉強する受験生たちだって、もし受験に落ちたら何の価値もない自分になってしまうというプレッシャーに苛まれているだけで、実はどちらも本質はそんなに違うわけじゃないと感じてしまいます。ましてやチェンの母親はそんな受験戦争を勝ち抜こうと頑張る娘のために、詐欺まがいの商売で借金取りに追われるような生活をしていて、社会的な経済格差の歪みが子どもたちの心に影を落としていることまで描かれています。



どうやらこの作品は実際に起こった事件を元に描かれていることから、初めは当局から上映許可が降りなかったとか。それをどうやら中国でも社会問題となった「いじめ撲滅」に向けての広告塔として認められたようです。そして宣伝広告はしないよう当局から通達されていたにも関わらず、この作品の素晴らしさは口コミでどんどん拡がり、中国・香港映画の青春ものとしては歴代一位の興行収入を達成。アカデミー賞国際長編映画賞にもノミネートされるほど、世界的にも高い評価を受けています。




2人の言葉は少ないながらの表情の演技は逆に情感がしっかり感じます




そしてこの作品が優れているのはそんな社会問題だけじゃなく、淡くも互いを思い合う2人の純愛がしっかりと描かれていること。


お互いに自分のことを真正面から向き合ってくれる相手のことを信頼していて、「君は世界を守れ。俺はそんな君を必ず守る。」というセリフからもそんな想いが滲み出ています。さらに終盤の面会室での2人の表序樹だけの演技は、そこから2人のセリフが聞こえて来ないのに、その魂からの思いがこちらにも伝わってくるような演出と2人の演技には脱帽。



そして2人を検挙して説得する若い刑事チェン・イーも、初めはチェン・ニェンのエマージェンシーコールを取らなかったことから彼女の信頼を失いますが、最後には全身で向き合ったことから2人の供述をとって事件の解決に繋げます。彼の立場って実は、いじめ問題でいうところの学校や社会がどう向き合うか?のメタファーな気がして、それは見ている我々にまで差し向けられているようにすら感じてしまうのです。


社会問題と青春恋愛映画をここまで上手く融合させた監督の今後にも期待してしまいます。





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