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》死刑を免れて英雄となった贋作作家:映画『最後のフェルメール』鑑賞記

2021.11.17

第二次世界大戦後のオランダで、ナチスドイツにフェルメールの絵画を売ったとして処刑されようとしていた作家が、売った作品が自らの贋作だったと証明してみせた史実を元にした作品の感想をブログに。



20世紀で最も有名な贋作作家をご存知でしょうか?

しかも本来ならフェルメールの贋作を書いて売ったのならバレることを避けるだろうに、裁判官の目の前で自らそれを証明してみせたことで、逆に国民の英雄となった贋作作家が実在したって聴くだけで興味が湧きますよね?


それがナチスを欺き手玉に取った画家ハン・ファン・メーヘレン。



ハン・ファン・メーヘレン本人(画像はWikipediaより)


しかも彼が作った贋作はいわゆるそっくりなニセモノを作ったのではなく、「いかにもフェルメールが書いたように見える新作」を書いてエージングを施し、それが新たな作品であるとバレないようコーティングするという巧妙な手法。自分の描く古典的で写実的な絵が全く評価されなかったため、評論家の鼻を明かしてやろうと作った贋作は見事本物と鑑定されて高値で買われていきました。


そんな作品の一つを買ったのがナチスドイツの高官で、それがあまりに巧妙だったために戦後「ナチスドイツにオランダの国家的な文化財を売り払った男」として裁かれようとしたことから自ら贋作であることを法廷で証明。それまでの国賊扱いからうって変わって「ナチスドイツから大金を騙し取った英雄」となったという不思議な裁判を、ドラマ仕立てにしたのが今作です。メーヘレンを演じたのは近年多くの作品に主演しているガイ・ピアーズで、2019年製作のアメリカ映画です。




【『最後のフェルメール』のあらすじ】



ナチスドイツが敗北した後、その倉庫に眠っていた文化財を調べていたジョセフ大尉は中からフェルメール作という作品を見つけ、それをあるオランダ人が高値で売りつけていたことが判明します。それがハン・ファン・メーヘレンだと分かり尋問しますが、どうにも釈然とせず調べていくうちに作品自体がメーヘレンの書いた贋作なのではないかと気づきます。そしてジョセフがメーヘレンと共に争った「贋作であることを証明する」という前代未聞の裁判の結果は…






【贋作をニセモノだと証明したい犯罪者とホンモノと信じたい評論家】

そもそもメーヘレン本人は画家でありながらまったく評価されず、古くなった作品の修復をすればニセモノを作ったと咎められる。とにかく上手くいかなかった彼は修復作をニセモノ扱いした、当時の美術界の重鎮に復讐するためフェルメール風の作品を作ったそうです。しかもフェルメールの時代の塗料や筆を研究し尽くし、キャンバス自体も当時の別の絵を剥がしてから描くという巧妙さ。さらにはフェルメール作品の空白の時期を埋めるような題材とタッチまでイメージして描かれた作品は、その思惑通りにフェルメールの真作だと鑑定されて買い取られます。そんな風にして売れた作品の価格は現在の価値にして60億円以上とも言われています。特にナチスドイツのNo.2幹部のゲーリングには1枚15億円で売れ、お金が足りなかったゲーリングはコレクション(略奪)していたオランダ絵画数点を不足分としてつけて買い取ったそうです。

これも奪われたオランダの絵画を取り戻したとして、彼が称賛される元になっています。



でもそんな作品が戦後になって表面化し、メーヘレンから買い取ったという証拠が出たため国家反逆罪に問われてしまいます。美術評論家を欺くために描いた作品がゲーリングの目に止まってしまってナチスドイツを欺くことになり、今度はその罪から逃れるために自分が売った作品全てが贋作だと証明しようとします。ところが裁判で争う相手はかつてこの作品を真作だと鑑定した美術評論家だから、当然ながらそんな鑑定が間違いだったとは認めるわけがありませんよね。でもどう身の潔白を証明しようと、どのみち彼が犯罪者であることは明白。結局この映画の中ではジョセフ大佐の機転で、裁判中に塗料を剥がしてニセモノだということを証明したことで、国家反逆罪に問われていた男が一転国民的英雄に変わるところが描かれています。




自らの罪を証明するために特別に用意された部屋で贋作を描くメーヘレン本人



しかし当然彼は詐欺師であり、世間に認められたいという欲のために人を騙した男。

実際にメーヘレンがナチスドイツと交流していたという証拠もあったそうですが、それを超えるほど国民的英雄を称える民衆の声に押されて、彼の詐欺罪は1年だけの刑期とされます。しかし彼は判決が出てわずか1ヶ月余りで死去。


もしゲーリングの持っていた作品からメーヘレンの名前が出なければ今でも彼の作品はフェルメールの作品として世に出ていたかもしれないし、万が一そうなっていても現代科学の鑑定では間違いなく贋作であることはバレて彼はただの詐欺師扱いに終わっていたでしょう。でもあの世の彼は英雄として、これほどまでに世間を欺いた自らの画力をほくそ笑んで眺めていることでしょうね。




ボイマンス・ファン・ベーニンヘン美術館に展示されているメーヘレンの作品



やっぱり映画って埋もれていたこんな歴史的な事件もドラマチックに描き出してくれて良いものですね〜〜。





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