blog詳細

おざわやの代表のブログです

》客観と主観が入れ替わるとホラーになる:映画『ファーザー』鑑賞記

2021.11.06

客観的にみている世界に主観として関わると、何でもない現実がサスペンスのように襲いかかることを恐怖=ホラーとして感じた、ヒューマンドラマ映画を観た感想をブログに。怖かった〜〜〜。



ウチはすでに両親共が他界しているし、この作品に取り上げられ高齢者問題として取り上げられることが多い「痴呆」にもならず。大変だろうなあとは想像しながらも、その現実は知りません。そんな姿を今年のアカデミーで大方の予想を覆して主演男優賞を獲得したアンソニー・ホプキンスが、迫真の演技で描かれた『ファーザー』が早くも配信されています。正直言えばこの作品にそれほどの期待はしていなくて、確かに「痴呆老人」を上手く演じたんだろうなあぐらいにしか思っていませんでした。


そもそもこの作品は舞台演劇の脚本として2012年に上演された「Le Père(父)」を映画化したもので、その戯曲を書いたフローリアン・ゼレール本人が監督しています。その舞台自体もパリ、ニューヨーク、ロンドンなどで好評を得ており、初監督作品とは思えないストーリーや脚色が際立っています。その映画化に際しては名優アンソニー・ホプキンスが名前そのままの役として、痴呆症によって周囲との関係性が崩れていく老人男性を怪演しています。




【『ファーザー』のあらすじ】



ロンドンに住む81歳のアンソニーは一人でアパート(フラット)に暮らしていますが、痴呆の症状があり日常生活にはヘルパーが不可欠です。でもややこしい性格の本人は一人で暮らせると言い張り、そんなヘルパーたちも次々に長続きせず辞めてしまう始末。アンソニーの近くで面倒を見る娘のアンはそんな介護と仕事に奔走し、悩み苦しむ毎日。


ある日アンから「新しい恋人とパリで暮らす」と告げられてアンソニーはショックを受けるものの、次には家に突然見知らぬ男が現れて10年来のアンの結婚相手だと言い、しかもアンソニーの部屋を自分のアパートだと言い張る。それをアンに問いただすと「恋人もパリも何の話?」と不思議がられてしまい、何が真実なのかわからなくなるアンソニーは周囲との関係が保てず、困惑してしまいます。


いったい彼はどこで誰と住んでいるのか?そして真実はどこにあるのか?






【この作品の感想は】

まずこの作品、当然かも知れませんが見る人の年齢や性別でまったく印象が変わってしまうと思います。


ボク自身は50代半ばで、身体はだんだん衰えつつあるものの老いを感じることはまだ無し。どちらかと言えば両親が健在ならこれからアンのように介護の心配が出てくる頃です。そんな中で見る「痴呆症」の問題を取り上げたこの作品は、はじめ当然ながら娘の大変さを気の毒に思う目線でした。



〜映画ナタリーより、新しいヘルパーとのやり取りに心を痛めるアン


ところが始まってみるとこの作品は他の誰でもないアンソニー本人の主観だけで描かれている映像。


そんなアンソニーの住む部屋だけで展開するストーリーは、自分の記憶や思い込みとは全く違う現実が次々に襲ってきます。自分以外が全て不確実な世界に思えて、何がどうなっているのか困惑してしまうアンソニー。そしてそれを良いことに見知らぬ人たちが家族だと言い張って自分の大切な部屋に押しかけ、財産全てを奪っていくように感じて怒り出すアンソニー。



その部屋でさえ観ている間に少しずつ飾りや壁の色が変わり、ドアの向こうの部屋さえ変わっていく…


家族であるはずのアンでさえ顔も姿も変わってしまうので、いったい何が本当なのか信じられなくなっていく姿を見ていると、それまで介護する側の目線だったはずが、次第に痴呆によって精神が崩れていくアンソニーの目線になっていることに気がつきます。



〜映画ナタリーより、何がどうなっているのか?困惑していくアンソニー


そんなアンソニーを見事に演じたことにより、史上最高齢の83歳でアカデミー主演男優賞を獲得したアンソニー・ホプキンスは、「亡くなった父親を演じただけだよ」とコメントしたそうです。でも見ているこちらまで惹き込まれて、酒を飲みながらだからか「本当に自分は正気なのか?」と疑い始めてしまうほどに、役にのめり込んだ姿に恐怖すら感じました。


恐怖といえば。



エクスマレプリカンズの勉強仲間とりちゃん


先日も共に学んだ勉強仲間のとりちゃん(鳥戸康則さん)は無類のホラー映画好きで、年間に何百本ものホラー映画を見るほどだそうです。そんなとりちゃんがセミナー形式でホラー映画を見るべき理由を話してくれたのを聞いたばかりで、そこで紹介していた「恐怖とは、秩序や日常が破壊する感覚だ!」という、ホラーの帝王と呼ばれるスティーブン・キング監督の言葉を思い出しました。まさに日常が崩壊していく恐怖がボクにはこの作品から、「介護する家族が壊れてく恐怖」よりも「自分が崩壊していく恐怖」となって襲い掛かってきました。



物語の最後にはそんなアンソニーの置かれた現実が見えてくるのですが、きっとそんな状況が分かった上で見るこの作品も、全く別の印象になってしまうのでしょう。


つくづく凄いというか、背筋が冷たくなるくらい凄まじい人間ドラマでした。





【もしお墓でこんな悩みがあればお気軽に当店へ ご相談ください】 

・花立ての穴が小さくて水がたくさん入らないし洗いにくい

・お墓を新しく建てたい方やもっと使い易く建て替えたい

・お墓を少しキレイにこざっぱりしたい

・お墓に名前を追加して彫りたい

・お墓が壊れていて直したい

・墓地に草がたくさん生えて困っている

・お墓の汚れが落ちなくてスッキリしない

 他にもとにかくお墓で困っているー!という方は、まずここからボクに連絡くださいね。

現場に出て留守にすることもありますので、当店をお訪ねの前にはまず1本お電話くださいね。



【店舗情報】

お墓のおざわや  

店舗住所:名古屋市名東区高針原2-101

電話番号 : 052-734-8102 

営業日:月曜日~土曜日(日曜定休)   

営業時間:朝9時から夕方5時まで





【 弊店への車でのアクセスはこちら】

アクセス

店舗の前に2台分の駐車スペースがあります

少し止めずらいですがお使いくださいね







【 電車やバスでお墓のおざわやにお出での時は】

地下鉄東山線の星ヶ丘駅から市バスの「地下鉄植田行き」もしくは「地下鉄いりなか行き」に乗っていただいて15分ほどの「高針原」で下りていただいて、名古屋高速の高架道路のほうへ3分ほど歩いたら右手に店舗が見えます。

とにかくまず始めにお電話でご予約くださいねー!