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おざわやの代表のブログです

【インドで初めて戦争に参加した女性パイロット:映画『グンジャン・サクセナ』鑑賞記】

2021.04.13

インドで初めてヘリコプター操縦士として戦争に参加した実在の女性を描いたフィクション映画の感想から考えるジェンダーフリーについて。



昨今、世界ではジェンダーフリーというのが当たり前になりつつあります。でも実際にそれが権利として、そして当然の認識として認められているかというと、日本をはじめとして多くの国ではまだまだ。特に日本では政治への女性の参画の割合が先進国中最低と、かなりお恥ずかしい内容になっています。国の行く末を話し合う場に女性が少ないというのは、民主政治では大きな問題。男性からの意見だけで進めば、いつまで経ってもこんな状況は変わっていきませんよね。


そして日本と同じか、これまでもっと男女格差が大きかったかも知れない国の一つにインドがあります。



インドの国道沿いのカフェにて


以前インドを10日かけて旅した時、昼間のカフェではこんな光景をよく見ました。

働き盛りの男達がカフェでお茶を飲みながらタバコを吸い、あーでもないこーでもないとずっと喋っています。または広場でクリケットに興じたり床屋で髭を揃えたりも見ることがありました。こんな風景は日本でだってよく見掛けますが、特に田舎ではこんなところに女性がいるのは全く見ませんでした。これだって彼らにとっては情報交換とかコミュニケーションかも知れませんが、インドでは特に「女性を守るため男は強くあれ!」というような考え方が強いように感じます。



さてそんなインドで作られた、本当の話を元にしたフィクションの映画『グンジャン・サクセナ』を見ました。

子供の頃から自由に空を飛ぶことに憧れて、パイロットになり世界中を飛び回ることを夢見ていた女の子グンジャンが、さまざまな困難を乗り越えて実際に空軍に入隊し、ヘリコプターのパイロットとして初めて戦争に参加したインド女性として描かれています。




【あらすじ】

厳格な父親と優しい母親と活発な兄に囲まれて育ったグンジャンは子供の頃から出来が良く、将来はパイロットになって自由に世界を飛び回ることを夢見ていました。でも女性パイロットには門戸が開かれていないインド。唯一の道は空軍の士官となってパイロットになることですが、女性パイロットなんてそれまで居ないし士官学校には女性用トイレすらありません。


そしてそんなことより問題なのは女性が肩を並べることへの男性兵士たちの抵抗感や、実際の戦場に彼女たちを送り出せるのかということ。



グンジャンは苦労してやっとのことで入った士官学校でしたが、初めは飛行訓練すら受けさせてもらえず悩む毎日。そのうちにやる気をかわれて受けた飛行訓練では並外れた技量を認められ、上官から飛行訓練の予定を割り振るリーダー役に任命されます。ところが担当官は彼女から別の生徒にリーダーを変わらせ、その理由を腕相撲にも勝てないような非力さだと、彼女をねじ伏せるように黙らせます。



またもや、やるな!ネットフリックス!


そんな時インド国境で隣国パキスタンとの争いが起きて、彼女のいる舞台にも出動命令が出ます。




【様々な社会問題も含んだこのストーリー】

このストーリーはフィクションといいながらも、実際に両国間で起こった「カルギル戦争」が題材です。

インドとパキスタンは英国統治から返還されるときに分けられた国同士で、その時のイザコザから今でも紛争が起きやすい、国境近くのカシミール地方のカルギルという山岳地帯。1999年に過激派を装ったパキスタン兵がインド国境を跨いで侵入したことから、これを陸と空から殲滅してパキスタン軍を退かせるのが作戦でした。



そんな紛争の元になったインド分割について描かれた作品


グンジャンの所属していたヘリコプター部隊は物資や兵士の輸送、山岳地での敵の探索など実際敵に遭遇することが多い任務がありました。劇中に描かれているのは、任務遂行を望むグンジャンと最前線に向かわせようとしない指揮官。そこには「女性を戦地に追いやり死なせた指揮官」という汚名を着せられたくないという、男性としてのプライドのようなものがあったように感じました。


それは「女には危険な任務はムリだ」ではなく「守るべき女を前に出す意気地なしの男」と思われたくないという、いわばエゴ。でも実際にグンジャンはこの紛争の最中に最前線を飛び、インド人女性として初めて戦争に参加したパイロットになりました。



エンドロールに流れる実際のグンジャンの当時の様子


グンジャンは1996年に士官学校に入った6人の女性のうちの1人。実際には士官学校でもそこまで酷く虐げられてはいなかったようですが、それでもやっぱりこれまでいなかった女性が入ってくれば、教官や他の士官生たちだって戸惑ったでしょうね。


そんなグンジャンはこの紛争での活躍から表彰されて、その後2004年まで空軍に勤務しましたが除隊。その年には結婚していた同じくヘリパイロットの夫との間に娘さんも生まれたとか。

メデタシメデタシ、ですねー。




【ジェンダーフリーは男女どちらにもある意識が問題】

最近はそうでもないかも知れないけれど、インドはそもそも男性と女性をハッキリと分ける文化のある国。その中には「強い男と弱い女」というイメージが強くありました。何かといえば「女のクセに!」という尊大な態度の男たちが様々な作品に描かれています。





この「ワナジャ」は商業映画ではなく、出演はすべて素人に稽古をつけただけにも関わらず、ベルリン映画祭では最優秀賞を含む24もの賞を取った作品。領主に蔑まれつつも踊る大好きな舞の美しさと、望まず産んでしまった我が子との暮らしの貧しさが胸に詰まる、悲しくも切ないストーリー。この辺りは昔ながらのインドといった風情を描いています。



ちょっと毛色が変わるのはこの作品。





働き者だが貧しい男が、結婚した妻のために生理用品を安く作る機械を発明する『パッドマン〜5億人の女性を救った男』。

これは実際にThe Sanitary Manと揶揄して呼ばれつつ、妻を始めとしてインド中の貧しい女性たちを助けた、実在するムルガナンダムという男の伝記的物語です。







不浄のものとして忌み嫌われる生理用品を作って貧しいインドの女性たちの手に届けただけじゃなく、そんな生理用品を製作する機械を安く売って収入にまでさせるって、本当に凄い男がいたものです。自分はどれだけ蔑まれてもいいから妻のためにと頑張る姿は、「ジェンダーフリー=女性差別」なんて陳腐な意味ではないことを体現して見せてくれました。


この物語でも感じたのは「女のクセに」と同じように、「男のクセに」という言葉だって充分に蔑視だってこと。インドの女性たちがそんな差別に苦しんできた(今も?)のと同じように、インド男性も「女性を守らなければ男じゃない」というギャップに苦しんできたんじゃないでしょうか?




日本も「先進国のクセに」なんて言われないよう、こんな作品を見てどんどんジェンダーフリーや女性の政治参画を進めていけたら良いですねー。





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