おざわやの代表のブログです
2021.02.18
2020年に公開された、エミリオ・エステベスが製作・監督・脚本・主演と全てに当たった今作は、実際の記事に着想を得た彼の意欲作。若い頃から「アウトサイダー」「セントエルモスファイアー」「ヤングガン」などに出演していて好きだった名優エミリオ・エステベスが、11年の時間を費やして心血注いだ作品という事で興味深く鑑賞しました。
突然の大寒波に見舞われたオハイオ州シンシナティの公立図書館。その閉館後にホームレスが居直って籠城し、更に彼らを援助していたことから図書館員のスチュアートまでもがその騒動に巻き込まれていきます。
彼らはただ一晩の宿を求めただけの平和的なデモだったはずが、市長選出馬を狙う地方検事やスクープ記事を待っていた記者の思惑により情報は歪められて、スチュアートは人質100人を監禁する異常犯にされてしまいます。
平和的な館内を他所に、どんどん大きくなる騒ぎを彼らはどう切り抜けるのか?
図書館という、ごく限られた公共のスペースで描き出されるストーリーですが、そこには持つものと持たざるものが紙一重なアメリカの社会問題も描かれています。大寒波に襲われたことから無料のシェルターにあぶれたホームレスたちが毎日のように凍死していく中、彼らの昼間の憩いの場として利用されていた図書館。そこに働く図書館員と利用者たるホームレスたちとの関係性を保っているのはエミリオ・エステベス演じるスチュアート。一瞬「エド・シーラン??」と思いましたが(笑)、物静かで慎ましく生きるスチュアートはホームレスたちの窮状を見るにみかねて、籠城する彼らと行動を共にしてしまいます。
ただし彼らの行動はデモとはいっても行き当たりばったりで、ただ一夜の宿を求めたかっただけ。それに対して次期市長選を狙う地方検事デイヴィスは、これを機に票を伸ばそうと彼らを悪人に仕立てようとします。でもそこに大きな意味を見出していたスチュアートは、その舞台となった図書館職員らしく社会問題を炙り出すのに、ノーベル文学賞受賞作家ジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』という本を持ち出します。
スチュアートは記者の直撃インタビューに答え、「飢えた者たちは怒りを募らせ怒りの葡萄がずっしりと実っていく」とその中の一節を持ち出して社会格差の問題を比喩してみせます。それは彼自身の心情からもくるものでしたが、功名心逞しい記者レベッカにはその真意がまったく伝わらず。それどころかフェイクニュースによって「頭のおかしくなった図書館員の犯行」に仕立てられてしまいます。これが先のアメリカ大統領選にも重なって、なんでも簡単に情報にしてしまう今のネット社会を揶揄してるように感じました。
ただそんな大きな社会問題ながらも、ストーリーはただ暗いばかりじゃないし暴力的でもない。人を勇気づける「ユーモア」と、「ウィット」という叡智を中心に描かれていて爽快。スチュアートのインタビューから彼の訴えを知った地方検事の政敵である牧師が、支援者たちと共に籠城するホームレスたちへの支援物資を届けにきた辺り、本当の豊かさとは何かを暗示している様な気がしました。
そんなところから図書館(=社会:The Public)とはすべての人が答えを求めに来る場所であり、その叡智の中に必ず答えがあるはずで、それは誰しもが等しく受けられる権利でなければならないんだと、普段ボクらが忘れてしまいがちな「公共」という言葉の本当の意味を教えてくれているように感じました。
ただ一つ残念だったのはもう少し問題の鍵を握るように感じていたアレク・ボールドウィンの演じる調停員ビルが、なんだか途中から宙ぶらりんになってしまった気がした事。でもそれを差し置いてあまりあるスチュアートの人物像と、それを表現し切ったエミリオ・エステベスの演技には深く魅入られました。
ともかくこの「The Public」見れば見るほど味わい深くて、まだ2月中ながら今年のトップ10には必ず入ってしまいそうな素晴らしい作品でしたー!
・花立ての穴が小さくて水がたくさん入らないし洗いにくい
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