おざわやの代表のブログです
2019.12.14
昨日のおもしろ学校は今年最後の授業で、1番の人気講師といっても良い土井謙次先生の「大衆は何を求めるのか?江戸時代VS令和 〜歌川国芳の浮世絵に見るジャーナリズム」。
おもしろ学校って何?という方はこちらをどうぞ → おもしろ学校は「学ぶ楽しさ」を思い出す場です
大衆から絶大な人気を得ていた浮世絵師の歌川国芳(うたがわくによし)が残した作品を見ながら、極度の贅沢禁止令と出版統制が敷かれていた当時を読み解いて、言論と表現の自由が揺らいだ現代と比較して、いま大切にしなければならない事を考える授業でした。
国芳と言えば少し前に話題になったこの絵。
ある筈のない東京スカイツリーがその作品の中に描かれていたり、別の作品には国芳自身が亡くなった西暦が記されていたりと謎も多い浮世絵師です。
そもそも「浮世絵(うきよえ)」というのは平安時代から広まった「浄土信仰」が元になっています。「浄土=あの世」に対して「この世=憂き世(うきよ)」をいかに楽しんで暮らすか?という視点から、倹約を強いられた庶民の鬱憤を晴らすように言い換えたのが「浮世(うきよ)」でした。そして浮世絵を世に出すためには役人による検認が必要で、それを通ったものには検印が押されて初めて大衆の目に触れていたそうです。なかでも国芳は「おばけ好き」「ネコ好き」で名が通っていて、当時禁止されていた歌舞伎役者をネコに置き換えたり、遊郭の様子をスズメの顔にして浮世絵にしたりと、反骨心をユーモアというオブラートに包んで圧政をひく行政に対抗する稀代の「ジャーナリスト」だったそうです。
それに続いて紹介されたのは現代の発行部数ナンバーワンの週刊誌、「週刊文春」。
どちらも大衆が求めるものを発行しているからこそ受け入れられている「ジャーナリズム」。時代こそ違えど中身はスキャンダルやエロ、政治のウラを暴くといった記事のネタは変わりません。ただいつの世も施政者が曲がった方向に行かないようチェックするシステムとなっているはずのジャーナリズムが、今揺らいでいることへの警鐘が含まれているように感じました。
ボクは普段から色々なSNSなどにちょくちょく投稿しているし、何か知りたいことがあればツイッターで検索する便利さを知って、すっかりテレビ番組を見なくなったし新聞もあまり読まなくなりました。
確かにボクのSNSにはボクが興味を持ちそうな情報が流れてくるし、志向の近いフォロワーに囲まれているので、それ以外のあまり仲良くなれないタイプの人たちはどんどん減っていきます。その分とても居心地が良いし、仲良したちとの交流も盛んです。でもそれだけでは見たいものしか見ないし、聞くべき声も聞こえないかも知れない。昨日の授業を聞いていてそんな風に感じたんです。
アメリカでは特に地方紙が経営難からどんどん廃刊に追い込まれ、そんな新聞の無くなった地方では選挙の投票率が激減し、汚職や不正が横行したそうです。今の日本だってそれに近い状況になりかかっているかも知れない。芸能や政治家のスキャンダルを取り上げる「文春砲」が世間を騒がせることが多く、それがかえってこういった週刊誌や新聞などからの「ジャーナリズム離れ」を加速しているように思えます。
大好きな映画で言えば『ペンタゴンペーパーズ』で描かれたのは、地方紙のワシントンポストの記者がライバル会社のNYタイムズと手を組んで、ベトナム戦争の真実を炙り出したこと。そこからその後当時強権政治を行っていたニクソン大統領の汚職を暴いた「ウォーターゲート事件」に繋がっていったという真実をもとにしたストーリーです。新聞というものが社会を正常に保つための圧力弁であったり、弱きものを大きな力から守る力になり得ることを忘れちゃいけないなと。
少なくとも芸能スキャンダルばかり追いかけるよりも、社会を見守るべきジャーナリズムを大切にしていかなければならない。それにはボクらも見たいものを見るばかりじゃなく、新聞もしっかり読んで社会に関心を持ち続けるべきだと思ったし、そんな気づきを提供する場としての「おもしろ学校」をこれからも続けていかなければ、と再確認できました。
来年のおもしろ学校は5月からまた始まります。もしご興味あればぜひお問い合わせくださいね。
・お墓を新しく建てたい、または建て替えたいとき・お墓を少しキレイにこざっぱりしたいとき・お墓に名前を追加で彫りたいとき・壊れているお墓を直したいとき・墓地に草が生えて困る・お墓の汚れが落ちなくてスッキリしない・とにかくお墓で困っているとき・そんな時はまずここからボクに連絡くださいね。
【店舗情報】
お墓のおざわや
店舗住所:名古屋市名東区高針原2-101
電話番号 : 052-734-8102
営業日:月曜日~土曜日(日曜定休)
営業時間:朝9時から夕方5時まで
地下鉄東山線の星ヶ丘駅から市バスの「地下鉄植田行き」もしくは「地下鉄いりなか行き」に乗っていただいて15分ほどの「高針原」で下りていただいて、名古屋高速の高架道路のほうへ3分ほど歩いたら右手に店舗が見えます。